[井上あずみさん]“あずみ流”脳卒中リハビリで左半身まひ克服へ…落ち込んだ気持ちを前向きにする秘訣は?
ウェルネスとーく
「となりのトトロ」の主題歌などスタジオジブリ映画の歌でおなじみの歌手、井上あずみさんが2023年8月の40周年コンサートの当日、脳出血を発症してから1年あまりがたちました。今は、復帰に向けて日々、リハビリに励んでいます。「楽しくなきゃ続かない」という“あずみ流”脳卒中リハビリについて聞きました。(聞き手・渡辺勝敏) 【写真5枚】デビュー前の井上あずみさん
プール、加圧トレーニングなど夫が付き添いリハビリの日々
――リハーサル中のコンサート会場から救急車で病院に搬送され、手術を受けて2週間入院し、その後リハビリの病院に転院して6か月。今年2月に自宅に戻ったわけですね。どんな過ごし方をしていますか。 月曜日から土曜日まで毎日リハビリのためにどこかに出かけています。プールでのウォーキング、腕や足にベルトを巻いて力を入れる加圧トレーニング、電気で刺激するのもあります。まひしている左側は何もしないとこわばってしまうので、緩めるためにはり・きゅうの治療も受けています。「効果がある」と聞くと試してきました。自宅では、音楽系の大学に通う娘の侑夕にボイストレーニングをやってもらっています。 ――あずみさんの個人事務所社長のご主人がつきっきりだとか。 トイレに行く時の支え、入浴に食事の支度も掃除もやって、リハビリもパパ(夫)に連れて行ってもらっています。ずっと一緒ですから、本当に感謝しかありません。周りからは、「いい人見つけたものね」なんて。シングルの友達は、「私に介護が必要になったら、ベッド並べてお世話になりたい」なんて冗談も言っています(笑)。
高齢者デイサービスで昭和の歌を歌う
――高齢者のデイサービスも利用しているそうですね。 週2回午前10時から午後4時までお世話になっています。付きっきりじゃ介護するパパが休めないでしょ。その日だけでもゆっくり自分で過ごしてもらいたいと思って通い始めたんです。おじいちゃんやおばあちゃんたちと一緒に体操をして、ご飯を食べて、筋トレをして、歌の時間もあるんですよ。私はうちでゴロゴロしているのも好きなんですけど、でも、これが楽しいんですよ。 ――デイサービス利用者としては若手ですね。 初めは何をして時間を潰そうかと思ったんですが、元気な方ばかりの施設なので「あなた、若いのに大変ね」なんて言われて、おしゃべりをするのが楽しいですね。90歳ぐらいのおばあちゃんからは戦後の話を聞くし、脳卒中の方もいて勉強になりますよ。1時間は音楽の時間。昭和の古い歌をピアノ伴奏で大きな声で歌うんです。「朝だ元気で」とか「東京ラプソディ」なんてとてもいい曲なのに知らなかったので、これも勉強ですね。