彫刻作家・岩元貴行さんの作品展 「そして、森になる」 メッセージに込めた思いとは? 鹿児島市立美術館
鹿児島テレビ
南日本美術展で海老原賞を受賞してフランスに留学した作家、岩元貴行さんの作品展が、12月18日から鹿児島市立美術館で始まりました。 テーマは「森になる」。 この言葉に込めた思いとはー。 会場に並ぶ、木をモチーフにした作品の数々。 手がけたのは、県立高校の美術教師で彫刻作家の岩元貴行さん(53)です。 岩元さんは、2019年に南日本美術展で、鹿児島が生んだ洋画界の巨匠、海老原喜之助にちなんだ「海老原賞」に輝き、2024年3月までの1年間フランスに留学しました。 18日から始まった作品展の会場には、彫刻や絵画など約50点が展示されています。 今回の作品展のテーマは「そして、森になる」。 海老原賞をとったこの作品はどのように作られているのかー。 実はこれ、ホームセンターで買った角材を、年輪に沿って夜通し削って、元の木の形を再現したものです。 南日本美術展「海老原賞」受賞・岩元貴行さん 「詰めた状態で3日ぐらいかけて、1本削れるかどうか。角材を寝かしておいて、それにまたがって、自分の体重で動かないようにして、ひたすら押し出す。途中で腰をやられる」 角材として新たな役割を帯びた木を、再び掘ることで「本来の生命の形」を表現しています。 岩元さん 「彫刻と言っても具象彫刻で何かを表現している。わかりやすい内容ではなかったので、それが認めてもらえたのは嬉しかった」 フランス留学中、新たな美術の出会いもあったようでー。 「オルセー美術館でパステル画展があって、それでパステルいいなと思って、その展覧会を観に行った後、パステル画一式を買い、グレゴラに行った時にパステルを始めた。専門分野ではないものに取り組むことによって、自由さを意識できて、表現の幅につながってくる」 「そして、森になる」今回のテーマは、これまでの技術や知識がフランス留学を糧にひとつにつながり、世界が少しひらけたと語る岩元さん自身を映し出しているようです。 岩元貴行さんの作品展は12月22日まで、鹿児島市立美術館で開かれています。
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