今回のイベントのフライヤー。

いよいよ今年も、年末の超ビッグセールの日がやってくる。今年のブラックフライデーは11月29日（金）だ。12月のクリスマス商戦の前にギフトを集めたり、これまで手が出なかった高額商品を入手できるチャンスの到来だ。ところがそんな世の中の浮足立った風潮に異を唱えるブランドが表れた。SDGsの企業理念を持つスイスのフライターグである。 彼らはこの日を、過剰消費を煽る社会的に問題のある日と位置づけている。確かにセール時期には本当に必要でないものまで買ってしまい、消費の無駄を加速させることもよくある。好ましくない値引きで企業の経済活動に負荷がかかるケースもあるだろう。そこでフライターグは29日になんと、オンラインを含む全世界のストアで商品販売を停止。その代わりに実店舗にて客同士の物々交換会を開催する。 【写真】使用済みの素材を再利用したお洒落なデザインで人気のフライターグのバッグ

環境意識の高い人であっても、愛用のバッグに飽きたりほかのバッグに目移りするものだ。その気持を汲み取りつつ、笑顔で平和的に問題を解決しようとするフライターグ。彼らが製造するバッグは主に使用済みのトラックタープを再利用したアップサイクル品である。中古バッグでも魅力が損なわれず、顧客同志に仲間意識があるから成立するストアイベントだ。

嬉しいことに日本の各店舗（大阪、渋谷、銀座、京都）でも同イベントが開催される。29日（金）17時より行われる予定だ。当日はささやかながらもドリンクと特別な音楽も用意されるらしい。来場者が私物バッグを持ち寄り交換する愛好家パーティ。ファッションアイテムへの想いを同じくする同志との交流も期待できる貴重な場にもなりそうだ。

フライターグ

https://freitag.ch/ja_JP

高橋一史｜ファッションレポーター／フォトグラファー 明治大学＆文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。