肩や腕の痛みや違和感、もしかして四十肩!? 原因や症状を医師が解説
明確な原因は不明⁉︎
「実は、四十肩・五十肩の原因は未だに分かっていないんです。ただ、肩関節は股関節などと同じ球関節で、上腕骨の先が球状(上腕骨頭)になっていて、受け皿になる関節窩にはまっている状態です。しかしながら、その受け皿はけん玉の受け皿よりも浅く、とても不安定な形でついています。 そのまわりに筋肉や筋肉同士をつなぐ腱板(肩関節を安定させている4つの腱)、関節液が入った関節包(関節を包んでいる膜)などがあり、これらが複雑かつ微妙に助け合うことで、腕を支えて動きを実現しています。 『肩関節周囲炎』は両肩同時に症状が出ることは少なく、右肩が痛みだしたら、しばらくして左肩も……と、時期をずらして両肩に発症することが多いようです」
四十肩の痛みはどれくらい続くの?
「四十肩・五十肩は特に大きなきっかけはなく、ある日突然、肩に痛みが発生します。その後、数週間から数か月かけて少しずつ、あるいは急速に痛みが増加。はじめは“何となく肩に違和感がある程度”だったものが、“少し動かすだけでとてつもなく痛い”や“あまりの傷みに夜起きてしまう”などの強い症状が現れることも。このような激しい痛みが数か月~1年以上続く場合もあります」
四十肩の痛みを今以上悪化させないためには?
「四十肩・五十肩はすぐに治るものではなく、最低でも数か月、長ければ数年の経過を有するのが特徴です。 病院で通常受けられる一般的な治療は、内服薬(抗炎症・鎮静剤)や湿布薬、塗り薬の処方。あまりにも痛みが強い場合は、筋弛緩薬の注射をすることもあります。痛みを和らげるためにマッサージやストレッチを自己流で行う方も多いようですが自己流はおすすめしません。必ず正しい方法で行いましょう。 イラスト/二階堂ちはる 構成・文/佐藤 梓 企画/有住美慧(MAQUIA) 激痛が走る炎症期は、安静第一! 炎症が強い時は熱い温度のお風呂は控え、シャワーで軽く汗や汚れを流す程度、もしくはぬるめのお湯に浸かるように」