成田凌

俳優の成田凌が、11月18日に都内で開催された映画「雨の中の慾情」プレミア上映舞台あいさつに登場。共演の中村映里子、森田剛、竹中直人、メガホンをとった片山慎三監督と撮影エピソードなどを語った。 【写真】成田凌らキャスト陣が台湾で1カ月にわたるロケを敢行！「雨の中の慾情」の劇中カット ■「雨の中の慾情」とは 同作は、センセーショナルな作品を次々と世に送り出してきた片山監督がつげ義春のシュルレアリスム作品「雨の中の慾情」を原作に独創的なラブストーリーとして映画化。2人の男性と1人の女性の切なくも激しい性愛と情愛が入り交じる物語だ。主人公の売れない漫画家・義男を成田、魅惑的な未亡人・福子を中村、自称小説家の伊守を森田、そして竹中はアパートの大家・尾弥次を演じている。 1カ月にわたり、台湾で“粘り強く”ロケを行ったという本作。片山監督の演出の印象について、成田は「撮っていくうちに監督はものすごくいろんなことが浮かぶんです。どんどんどんどん毎分ブラッシュアップされていく感覚がすごくあって、常に鮮度も保てるのですごく楽しんでやっていました」と振り返ると、片山監督は「撮っていく中でアイデアがいろいろ浮かんで、本当に終わらなくなるんですよ。でもどこかで終わらせないといけないのでそこが大変でしたね」とニヤリ。 それを受け、成田は「俳優部としては言われたことをやればいいんですけど、例えば『これ(小道具など)何個ありますか？』とかスタッフに聞いたときは、みんなドキドキですよね。(それが)全部なくなるまでやるんで…。(そういうときは)全員ピリッとする時間が流れていますね」と、“片山組”の粘り強い撮影の様子を打ち明けた。 また、中村が「脚本を前の日に読んで、『明日はこのシーンを撮る』と思っていても、(現場に行ったら)全然脚本に書かれていないものが用意されていることが多くて。本当に突拍子もないというか、毎日『今日は何が起こるんだろう』とドキドキしながら撮影に行っていました」と回想すると、成田は「そうですよね…行かなきゃ分からないっていう」としみじみ同調していた。 さらに、森田も「(現場に)行っちゃったらもう逃げられない、やるしかないって感じで。本当に現場・現場で監督からワードをもらって、それを自分の中で大切に演じようと思っていました」と覚悟を持って撮影に臨んだことを伝え、竹中は「僕なんかは歳取っちゃったんで、こんなシーン早く終わらせてくれよってなるんですけど、粘り強いんですよ。(監督が)そっと近づいてきて、何かボソッと言うんです。それを何度も何度もやるんですね。でも、監督の息遣いに慣れてくるし、それを感じる現場はなかなかないのですてきでしたね」と、片山監督とのセッションを堪能したようだ。 ■間もなく31歳の成田「最近膝の調子が悪くて…」 そんな中、劇中の義男のセリフにちなんで「今、一番手に入れたいもの」について聞かれると、成田は「いろいろ足りないものだらけだなと思って…」と前置きしつつ、「今、一番欲しいのは新しい膝ですね。最近膝の調子が悪くて…。新しいのに入れ替わったらいいなって思っています。下りがきついんですよ。普段山に登るので、下りがきついと大変なんですよね。手に入らないでしょうけど、新しい膝が欲しい」と明かす。 山登りだけでなく、普段の仕事にも影響が出ているようで「最近外でロケしていると痛くなるんですよ。だからカイロを貼っているんです。衣装部の若い子にニヤニヤされながら…もうそういう歳になってまいりました」と11月22日(金)に31歳になる成田が苦笑いで嘆くと、聞き捨てならんとばかりに竹中が「そんな～まだ30代でしょ？それ言ったら私なんかおじいちゃんですからね！　そりゃ困るよ。“慎三組”なんて朝まで撮影じゃからな！」と絵に描いたような“おじいちゃん口調”でボヤキ、一同を笑わせていた。 ほか、中村は「心の落ち着き」、森田は「髪の毛」、竹中は「『スマホを落としただけなのに―』よりも『雨の中の慾情』が圧倒的にお客様が入っているという情報」、片山監督は「記憶をなくせるもの」とそれぞれ個性豊かな願望を口にした。 映画「雨の中の慾情」は、11月29日(金)より東京・TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開される。 ◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT)