菅野から戸郷へ、戸郷から井上へ 受け継がれてきた巨人“開幕投手の心得”
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(11月9~24日)に出場する侍ジャパンの事前合宿が2日、宮崎市清武総合運動公園で行われ、巨人・戸郷翔征投手(24)が初戦となる13日のオーストラリア戦(バンテリンD)に先発する井上に開幕投手の心得を授けた。巨人でも今季ともにローテを回った1学年下の後輩。「国際大会なので、『自分の投げられる球(種)を優先して』と話はしました。なるようになる」と気負わずマウンドに立つことを勧めた。 自身は今季はレギュラーシーズンとCS最終ステージで開幕投手を担った。「投げられる球―」は過去に菅野から助言を受けたことでもあった。「どんな短期決戦でもいい球を選択して投げていくので、それは同じ。相手もあまり知らない状態で初対戦。目先を変えずとかは国際大会はしない」と説明。井上から「(開幕)大丈夫ですかね?」と相談もされたが「大丈夫。後は任せてくれ」と心強い言葉もかけた。 練習中にはNPBではあまり経験のない泥のついた球を手に取る場面もあった。戸郷は「温大が『汚くないですか?』と。日本だと砂でもむけど、泥でもむみたいな。WBCもこうでした。僕も最初汚いと思ったけど、ちゃんと指につく」と慣れるものと説いた。 この日は松坂大輔氏が来訪。22年の春季キャンプでスライダーの助言を受け、昨年は番組収録でも共演しており、談笑する場面もあった。今合宿で初めてブルペンで投球練習。「CS以来の傾斜でしたが、感覚もある程度良かったので楽しみ」とうなずいた。調整を進めながら後輩も支え、世界一への道を歩む。(田中 哲)
報知新聞社