路面電車運賃 10円値上げ 3年半ぶり大人150円 来年4月、長崎電気軌道
長崎市で路面電車を運行する長崎電気軌道は20日、運賃を10円値上げし、大人150円、子ども80円にするよう国に申請したと発表した。認可されれば、来年4月1日に改定する。 同社の大人運賃は2009年10月に100円から120円、19年4月に130円、21年10月に140円と改定してきた。今回認可されると3年半ぶり。 改定率は大人7・14%、子ども14・28%。定期は通勤が1カ月5630円から同6030円に、高校以上が同4790円から同5130円になる。20日、九州運輸局に認可申請し受理された。 人口減少を背景に、23年度輸送人員は新型コロナウイルス流行前の19年度に比べ約9割にとどまり、同社は今後も同様の状況が続くと想定。原材料費や工事費が増加し、不足する運転士確保のため賃金水準を上げる必要もあるという。値上げでの増収分は、バリアフリー推進に向けた超低床式車両の導入や、老朽化し新紙幣に対応していない運賃箱の更新にも充てる。 同社は値上げの理由を「安全性向上やサービス改善を図りつつ持続可能な公共交通機関として運営していくため」と説明。利用客に理解を求めていく。 同社によると、23年度の軌道部門収支は約7900万円の赤字。運賃を150円に引き上げても、25~27年度の平均収支は約8600万円の赤字になると試算している。