個室トイレ「3回ノック」が受け渡しの合図 闇バイト少年が明かす「普通の子」搾取の構図
■「ニュース見ておけば…」
家庭裁判所で少年審判を受け、少年院で約5カ月間を過ごした少年。「ニュースを見ておらず世の中の情報にうとかった。あやしいものだと思わなかった」と自らの無思慮を悔いる日々だ。面会に来た母親は「相談に乗ってやれず、一人にした」と泣いた。
今は少年院を出院し、若者の自立を支援するNPO法人「陽和(ひより)」(名古屋市)の理事長、渋谷幸靖さん(42)の下で社会復帰を目指す。
この1年間で闇バイトで逮捕された少年ら5人の支援に携わったという渋谷さんによると、「親子関係は悪くなく、非行歴もない普通の子」が加害者になるケースが増えているという。「悩みを一人で抱え込んでしまう子が多い。SNSで検索するうちに、容易に犯罪集団とつながりができてしまう」
まずは少年らを孤立させない人的なつながりが必要だ。「家族でなくてもよい。子供が苦しいときに気づいてあげられる大人、信頼できる誰かがいることが、少年の孤立や犯罪を防ぐことにつながる」(木下倫太朗)