長野県松本市が消防団員の準中型免許取得を補助
長野県松本市は本年度、消防団員の確保と負担軽減を目的に、準中型自動車免許取得の補助に乗り出す。平成29(2017)年の道交法改正で、普通免許で3・5トン以上のポンプ車は運転できなくなっており、若い団員を中心に新設の準中型免許の取得補助を希望する声が上がっていた。若い世代のスキルアップにつなげようと、ブルドーザーやチェーンソーの操作を学ぶ講座の受講も合わせて補助する。 市消防団(宮坂明直団長)には、ポンプが備わる「ポンプ車」と、小型ポンプを搭載する「普通積載車」、軽自動車の「軽積載車」がある。平成29年以降に普通免許を取得した団員はポンプ車の運転ができず、ほかの団員に乗せてもらったり、仲間と別に現場に向かったりと不便が生じていた。 準中型免許の取得は全額(約18万円)、ブルドーザーや油圧シャベルの操作を学ぶ「車両系建設機械運転技能講習」やチェーンソーの操作を学ぶ「伐木等業務特別教育」などは費用の3分の2を補助する。重機やチェーンソーの操作を習得すれば、災害現場でいざという時に役立つほか、団員自らの財産にもなる。市消防防災課は「団員として活躍しつつ、自らのスキルアップにつなげて仕事の幅も広げてもらえれば」と狙いを話す。 市は本年度の一般会計補正予算に101万円を計上した。市消防団の団員数は4月2日現在で1695人となっており、条例定数(2169人)の8割未満にとどまっている。同課は「なるべく早く補助を始めたい」と話している。
市民タイムス