基地局出力アップの瞬間をこの目で確認、KDDIのSub6エリアが関東で2.8倍に拡大 - KDDIが5G(Sub6)エリアの拡大と通信品質向上についての説明会を開催
なお、5Gサービスが開始された際に「弱い電波の5Gにつながってしまったせいで4Gよりもむしろ遅い」という現象がありましたが、4G転用5GとSub6の間でも同様なことはおこるようです。このあたりは、Sub6の電波がかろうじて届いていても無理にSub6で接続するのではなく4G転用5Gに接続する、というようなチューニングを行っているとのことで、運用の腕の見せ所という感もあります。 ■4G転用からSub6への移行で、通信速度は約3倍に ユーザーとして気になるのは、このSub6への移行により、どれくらい通信速度がアップするのかということです。 前田氏の説明によれば、4G転用による5Gでは実効速度が70~100Mbpsのところ、Sub6ではその約3倍の300Mbps超の実効速度が出せるといいます。この速度の違いは、動画視聴を例にとると、70~100Mbpsだと再生開始時に数秒の読み込み待ちがあってから動画がスタートするのに対し、300Mbpsならば画面をタップするとすぐに再生が開始されるという感じだそうです。また70~100Mbpsでは途中で一瞬止まってしまうようなこともありますが、300Mbpsではそういったこともなくスムーズに再生されます。
もうひとつSub6で改善されるのがレイテンシ(通信応答時間)。多くのオンラインゲームで推奨される30ms以下のレイテンシを維持できる率は1月時点でも92%となっており、この6月の時点でも92%で変わらないようですが、さらに快適な20ms以下のレイテンシとなる率が68%から75%に改善されているといいます。
■出力アップを行った瞬間、電波強度が上昇。通信速度も大幅に向上 説明会の後半では屋外に移動して、基地局の出力アップにより、どれくらいのスピードアップにつながるかを見せるデモンストレーションも行われました。
実際に計測した出力アップ前の状態の通信速度は、ダウンロードが72.6Mbps、アップロードが6.10Mbps。電波強度は-110dBm前後で推移しており、先の説明にあった-100dBmという電波強度に届かない状況でした。