正月は「餅ののど詰め」など注意 救急救命士に聞くイザという時の対処法は
正月は「餅ののど詰め」など注意 救急救命士に聞くイザという時の対処法は 映像は背部叩打法の実演
新しい年を迎え、餅やおせち料理に舌鼓を打っている人も多いのではないだろうか。この季節は食べる機会が多くなるものの、毎年のように餅をのどにつまらせるケースが多い。もし身近な家族がのどをつまらせたらどうしたらよいか。またどのように予防すればよいか。消防署に勤務する救急救命士に話を聞いてみた。 【映像】消防署の救急救命士に聞く 餅など正月料理を食す際の注意点
のど詰め事故を防ぐポイントは
毎年、全国各地でこの時期に、餅をのどに詰まらせるケースが相次いでいるそうだが、先月、大阪市消防局が発表した「お餅ののど詰めに注意」という資料によると、過去5年間、大阪市内で発生した餅によるのど詰め事故による救急搬送人数は101人を数え、中には亡くなった人もいるという。 同資料によると、それらを防ぐポイントとして、次の項目があげられており、これは常に覚えておきたいところだ。 ・小さく切って食べやすくする(高齢者は噛む力や飲み込む力が弱いため) ・電子レンジに30秒程かける(外は柔らかくも中までは柔らかくなっていないため、詰まらせるケースが多い) ・お茶などの水分をとりながら食べたり汁物に入れて食べる(高齢者は唾液の分泌量が少ないため) ・ゆっくり噛み、口の中にいれたまま話をしない、話かけない ・家族と一緒に食べる(なるべく誰かがそばにいて注意して見ましょう!)
これまでに鯛の刺身や伊達巻でのどを詰まらせる例も
しかし、これだけ注意していても、こうした事故はいつ起こるかわからない。もし、身近な家族がのどを詰まらせた場合、どうすればよいのだろうか。そこで、これまで長きにわたり救急隊で数々の現場を踏んできた、奈良県の生駒市消防署 署補佐で救急救命士の西川浩一さんに話を聞いてみた。 西川さんは「年末年始は季節がら、お餅でのどを詰まらせるのは多いです。しかし、私はこれまでこの季節に、めでたい席によく出る『鯛』の刺身や『伊達巻』をのどに詰まらせたという事案も見てきました。共通するのは、食べ物が大きかったりする場合ですね」と話す。 餅については「食べてのびるため、のどにつまりやすいんです。食道に入れば問題はありませんが、空気の通る道、肺へつながる道に入ったらこれは一大事で、緊急性が高くなります」と続ける。