基地問題めぐり “異例の事態” が相次ぐ 「安保の島」強いられる沖縄の2024年
政府は現在、アメリカ軍の説明に基づき伊江島補助飛行場の滑走路が使用できないための「例外」として嘉手納基地での訓練を容認しています。 ■国境の島で同盟アピール “異例” の大使来島 5月ー 米国のエマニュエル駐日大使が先島を訪問しました。 ▽エマニュエル駐日米国大使 「日米が戦略的に整合性を取ることができれば抑止力を強化することができる」 その後も米 軍と自衛隊の幹部が与那国駐屯地で会見するなど、国境に近い島は日米の同盟強化を隣国にアピールする「場」として使用されました。 ▽吉田圭秀 統合幕僚長 「我々の勢力を島に展開をするということに加えて、住民の皆さんの避難も行うというようなオペレーションを考えたときに、民間空港・港湾の使用というのはもう必要不可欠だと思っています」 日米の連携強化に伴いことし目立ったのが、米軍と自衛隊による民間施設の利用です。県が緊急時以外の民間施設の使用自粛を求めるなか、石垣空港で米軍のロケットシステムの輸送が行われるなど、県内の複数の民間施設で様々な訓練が実施されました。 ■非軍事施設の軍事利用を想定 “地ならし” 進む 【防衛省関係者】 「沖縄における民間施設の使用は軍事的にも、災害時の備えとしても必要不可欠」「どれだけ多くの施設で隊員が実績を積めるか、それが有事の際にいきてくる」 政府は、有事の際に自衛隊や海上保安庁などが公共インフラを使えるように整備・拡充する「特定利用空港・港湾」の指定を進めていますが、県は慎重な姿勢を崩していません。 政府が進める防衛政策の下で、少しずつ変わる沖縄の姿。安全保障の負担がのしかかったまま、沖縄は新たな年を迎えます。 <取材MEMO> 「防衛力の抜本的強化」を掲げた「安保3文書」を閣議決定してから今月で2年。この間、沖縄では自衛隊や米軍の軍事的な動きが活発化しました。政府はこれからこの島をどうしていきたいのか。様々な意見を持つ県民一人ひとりが主体的に考えられるよう、政府には丁寧な説明が求められます。(取材 平良優果)
琉球放送