TSMCの熊本進出に対応、九州大学とベトナム3大学など半導体人材育成へ「共同宣言」
九州大とベトナムの技術系3大学などは29日、半導体の人材育成に向けた「共同宣言」を出した。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出などに伴って専門人材の不足が見込まれる中、半導体産業に力を入れるベトナムと連携して課題解決につなげる狙いがある。 【動画】台湾・TSMCが進出、巨大半導体工場と町の変化
福岡市で同日開幕した「半導体・イノベーションと人材育成のための日越シンポジウム」(読売新聞西部本社など後援)で、九大大学院総合理工学府とハノイ工科大、ハノイ交通運輸大、ホーチミン情報技術大の代表らが文書に署名した。
宣言には、半導体の共同研究や人材育成に向けた協力や、大学間の交流プログラムの実施を目指すことなどを盛り込んだ。在福岡ベトナム総領事館のブー・チ・マイ総領事はシンポジウムのあいさつで、「ベトナムの半導体産業が今後、力強く成長するための重要なステップだ」と述べた。
ベトナム政府は9月、半導体産業を重視する方針を公表しており、外国人材の就職支援を手がける一般社団法人・外国人材支援機構(東京)の働きかけで共同宣言につながったという。
九大の谷本潤理事は「半導体人材の確保は日本単独では難しい。ベトナムとの連携は大切で、協力関係の構築に期待したい」と述べた。