借りパク注意!? レンタル先で大活躍中のJリーガー6人。武者修行に出て大化けした男たち
今季もJリーグでは、チャンスを求めて多くの選手がレンタル移籍でプレーしている。その中にはレンタル先で大きな成長を遂げた者や、かつての輝きを取り戻してチームに欠かせない存在になった者もいる。今回は、レンタル移籍先で活躍しているJリーグの選手を紹介する。※成績は15日時点の『transfermarkt』を参照。
MF:山田楓喜(やまだ・ふうき) 生年月日:2001年7月10日 レンタル元:京都サンガF.C. レンタル先:東京ヴェルディ 2024リーグ戦成績:8試合3得点0アシスト サッカーU-23日本代表の山田楓喜はユース時代から育ったクラブを離れて、目覚ましい活躍を見せている選手だ。山田は2020年に京都サンガF.C.のトップチームに昇格するも、そこから2シーズンは試合にほとんど絡むことができず、2022シーズンにようやく同クラブでJリーグデビューを果たしたが定位置を掴むには至らなかった。 そんな山田は、今季16年ぶりにJ1の舞台に戻ってきた東京ヴェルディへのレンタル移籍を決断した。するとJ1開幕戦の横浜F・マリノス戦で見事な直接FKを決めてレギュラーの座を確保し、第4節のアルビレックス新潟戦でもFKを直接決めるセンセーショナルな働きを見せた。 山田の特徴は正確無比な左足だ。プレースキッカーとして抜群の強さを発揮するのみならず、ボール保持時もカットインからのシュートや、味方へのクロスで相手ゴールを脅かす。Jリーグ屈指の精度を誇る山田のキックはヴェルディに欠かせない武器となっている。 先日行われたAFC U-23アジアカップ決勝戦でも、落ち着いたシュートでU-23ウズベキスタン代表から決勝ゴールを奪って注目度を一気に高めた。このままヴェルディやパリ五輪で結果を残し、今季を飛躍のシーズンとしたいところだ。
MF:荒木遼太郎(あらき・りょうたろう) 生年月日:2002年1月29日 レンタル元:鹿島アントラーズ レンタル先:FC東京 2024リーグ戦成績:7試合6得点0アシスト 荒木遼太郎はレンタル移籍によって低迷から見事抜け出すことができたと言っていいだろう。東福岡高校から鹿島アントラーズに加入した荒木は、高卒1年目から開幕スタメンを飾るなど存在感を示し、2年目の2021シーズンはリーグ戦36試合出場10ゴール7アシストと大ブレイクを果たし、ベストヤングプレーヤー賞にも輝いた。 しかし彼のキャリアはそのまま輝かしいものにはならなかった。背番号を10に変えた2022シーズンに腰椎椎間板ヘルニアを発症し、長期の離脱を強いられてしまう。翌2023シーズンは序列を落としてしまい、少ないチャンスしか与えられなかった。こういった状況を打破するために今季はFC東京へのレンタル移籍を決断。結果として、この選択が功を奏して荒木は復活を遂げることになる。 荒木はここまでJ1の7試合に出場して6ゴールと、かつての鋭い得点感覚を取り戻している。豊富なプレーバリエーションと正確なパスで味方の攻撃を活性化させ、自らも強烈なシュートを放って相手ゴールを脅かす。これまでの鬱憤を晴らすかのような大活躍で注目を集め、AFC U-23アジアカップ2024を戦うメンバーにも招集された。この大会でも準決勝イラク戦でゴールを奪うなど結果を残している。荒木はレンタル移籍が成功し、現在再ブレイクの兆しを見せていると言えよう。