異例の33歳欧州デビューDF谷口彰悟、35歳でのW杯再挑戦に決意「まだまだ僕もステップアップを狙っている」
アルラーヤンからシントトロイデンに今夏加入した日本代表DF谷口彰悟が14日、オンラインで入団記者会見を行い、「こうした機会をいただいたSTVVに感謝しているし、勝利のために全身全霊で戦っていきたい」と意気込みを口にした。 【写真】「ものすごいメンツ」…リバプール豪華3選手に囲まれたMF長野風花 谷口は33歳でのヨーロッパ初挑戦。筑波大から2014年に川崎フロンターレに加入し、31歳を迎えた2022年末にW杯デビュー、そして大会後にアルラーヤン(カタール)で初の海外移籍と、異色のキャリアを切り拓いてきた。 谷口は今回の移籍について「なかなか前例のない、聞かないようなキャリアの歩みをしていると理解しているし、ただ常にレベルの高いところ、自分が成長できる場所、自分が面白いと思える場所でサッカーをしたいと常に思っていた。ヨーロッパで戦いたい思いは常に持っていたので、シントトロイデンさんからチャンスをもらえたので、すごくありがたいし、この年でも初めてヨーロッパでチャレンジできるのは僕自身もワクワクしている」と喜びを口にし、「結果で恩返ししたい思いを持っている。ギラギラしてやっていきたい」と力を込めた。 近年は若手だけでなく、中堅世代の日本人選手に欧州からオファーが舞い込むことも珍しくない中、谷口の活躍はベテランにも道を切り拓く契機にもなりそうだ。谷口は「そこまで大きくは背負ってはいない」と話しながらも、次のように自身の挑戦の価値を見つめた。 「ここで僕がベルギーに移籍してきて、全然ダメだとなったらほら見たことかということになると思う。自分自身にもプレッシャーをかけながら、力があればこの歳でもヨーロッパの舞台でしっかり戦えるというのを示していかないといけないと感じている。そういったことができれば日本人戦えるじゃんという評価につながると思う。いろんなキャリアの進み方がある中、かなり異例だと思うけど、力があれば示せるというパフォーマンスを発揮したいと思う」(谷口) またこれまでMF遠藤航、DF冨安健洋、DF橋岡大樹らをステップアップさせた実績があり、欧州挑戦の登竜門として知られるシントトロイデンだが、谷口も「まだまだ僕もステップアップを狙っているので、ギラギラしていきます」と宣言。近年はMF香川真司、FW岡崎慎司らベテラン陣が所属し、若手を支える役目を担ってきた中、「チームの成績を少しでも上げたい気持ちを持っているし、そこが一番なのは間違いない」という姿勢を持ちつつも、野心を胸に戦っていく構えだ。 谷口はすでに第2節シャルルロワ(●1-4)戦に20分間の途中出場でデビューし、第3節アントワープ(●1-6)でフル出場するなど、すでにベルギーリーグの舞台を経験。いずれも大敗に終わったことで「まだまだチームとしての仕上がりはもう少し時間がかかるとやっていても感じるし、これからだなと感じている。自分自身のコンディションがまだまだ上がっていない」と課題を口にしつつも、大きなやりがいを感じているようだ。 「ベルギーリーグの特徴として、特にフィジカル面で優位性を取ってくるチームが多いので、そういう選手たちとバチバチ戦えること、そしてそういう選手を抑えられるようになるとチームとして良い結果が導けるし、引き出しが増えると思う。ピッチに立った感覚としては楽しみだなと思っているし、ここからだなと感じている」 「できるだけ早くコンディションを上げて、個の能力が高い選手がどのチームにも多いので、そういったアタッカー陣を1対1で止められる、ボールを奪い切ることができるようになれば、チームとしての結果もついてきやすいと思う。僕自身このリーグでただ経験しに来たというより存在感を示せるように。この選手がいるから難しいと思わせるような、それくらいのプレーをしないといけないというプレッシャーを自分自身にかけながらやっているつもりなので、そういったものを結果で示していけたらと思う」 その先には2026年の北中米W杯も見据えている。無事に出場が叶えば大会期間中に35歳の誕生日を迎える年齢だが、再び大舞台に立つモチベーションは高い。 「もちろん代表は自分の中でもすごく大きなもの。そこで戦える最大の目標である2026年W杯に出場するところを目指してやっているので、常に高いパフォーマンスを発揮しないといけない」。チームメートにはMF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁らパリ五輪世代もその舞台を狙っていく形となるが、「日本人の若い選手もたくさんいるので、そういった選手たちからも刺激をもらいながら、まだ負けないよということを示していければ」と決意を語った。