髙橋藍・バレーボール「日本で次のロス五輪に合わせていく考えも、ブラン監督は同意してくれました」
ブラン監督と涙の抱擁
激戦を終えた髙橋は、フィリップ・ブラン監督と抱き合って涙を見せた。オールランダーとしての素質の開花も、イタリア・リーグへの挑戦も監督の存在が欠かせなかったという。 「厳しく指導されてきましたが、本当に自分のために言ってくれていたんだというのを、あの時に感じました。監督に『ごめん』と謝られた時には、もう感謝の気持ちでいっぱいで。メダルをかけてあげられなかった悔しさがありました」 そんな恩師は、髙橋の新たなチャレンジに向けて背中を押してくれた。髙橋は新設される「SVリーグ」男子のサントリーの選手として、10月から始まる新シーズンを戦う。「環境にこだわることも大事ですけど、そこで何をするか、どういう意識でやっていくかというのが、自分の成長につながっていくと思います。日本で次のロス五輪に合わせていく考えも、ブラン監督は同意してくれました」 最後にチームを牽引する存在として「1点を取る力」を再び口にした髙橋は、26歳で次の五輪を迎える。エースとしてリーダーとしてどのように進化を遂げるのか、バレーボール界の希望は、まだまだ底を見せていない(9月10日記)。
RAN TAKAHASHI バレーボール選手。2001年生まれ、京都府出身。兄の影響で小学校2年生よりバレーボールをはじめる。21年の東京五輪は決勝トーナメント進出に貢献した。イタリア・セリエAを経て、今年から「SV リーグ」サントリーサンバーズ大阪に所属。10月に始まる新シーズンを戦う。 PHOTOGRAPHS BY YUSUKE ABE @ YARD STYLED BY NATSUKO KANEKO HAIR STYLED BY NANAKO AZUMA WORDS BY AKIRA KAMIYA @ GQ