サクランボ高温対策 山形県が1億6000万円緊急支援
高温の影響でサクランボの収穫量が平年を大幅に下回ったことを受け、山形県は緊急支援のため、9月補正予算案で1億6000万円を計上した。遮光資材などの導入費用を補助する他、収穫の集中を避けるために主力の「佐藤錦」からの植え替えも後押しする。18日に開会した県議会9月定例会に提案した。 「さくらんぼ高温対策緊急支援事業」に1億5600万円を計上する。遮光資材の他、熱反射の少ない白色反射シート、散水設備、冷蔵庫など資材・設備の導入を支援する。JAでの一括注文や3戸以上の団体、農業法人が対象で、県と市町村で2分の1を補助する。 「佐藤錦」からの改植を促す「品種転換緊急促進事業」には300万円を計上。植え替えの経費1本当たり2000円を支援する。早生の「紅さやか」や晩生の「やまがた紅王」「紅秀峰」など6品種が対象。収穫期の集中を避け、収穫遅れのないようにする。 遮光資材は双子果の予防にも有効だ。県は、花芽形成期(8、9月)の高温対策技術の現地実証も進めている。県園芸大国推進課は「収穫期の対策とともに双子果対策にもつなげたい」とする。 この他、栽培技術をまとめたサクランボの高温対策マニュアルの作成なども行う。
日本農業新聞