順天堂大・吉岡大翔が7区で激走…目覚めた大器にエースの自覚
1月2、3日に行われた第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)では、下級生の躍動も目立ち、順天堂大で「大器」と期待されてきた2年生が本領発揮のレースを見せた。第102回大会以降の走りも楽しみな、各校の新鋭たちを紹介する。
順天堂大の吉岡大翔(ひろと)(2年)は、復路序盤でいい流れを作り、シード権獲得へ向けてチームを勢いづける。そんな使命を託されて7区へ走り出した。
11位でたすきを受けると、一気に加速した。先行する他校の走者を次々と抜き去り、チームをシード圏内の8位に押し上げ、たすきをつないだ。「走っていて楽しい」。目標を上回る1時間2分21秒は、区間2位タイの好記録だった。
しかし、ゴールの大手町でチームは涙をのんだ。4校が8~11位を最後まで争う死闘で、順大は10位と7秒差でシード権を逃した。
「他大学との差をつけきれなかった。結果的に、自分がもっとタイムを稼がないと、役割を果たしたとは言えなかった」
長野・佐久長聖高時代の2022年11月、5000メートルで13分22秒99の日本高校記録を樹立。全国高校駅伝でも活躍した。一方、大学に入ってからは伸び悩んだが、ようやく本領を発揮してみせた。「次はシード権争いではなく、もっと上の順位を争えるようにしたい」。目覚めた期待の星には、エースの自覚も芽生えていた。(塩見要次郎)