日本人の「平均年収」はどのくらいですか? また「中央値」との差は大きいのでしょうか…?
自身の収入を評価する際、平均年収を参考にする方は珍しくありません。しかし、年収の基準として「中央値」という指標も存在します。そのため、平均年収と年収の中央値のどちらを基準にすればよいか迷う方もいるでしょう。 今回は、平均値と中央値の違いについて解説し、年収においてそれぞれの数値がどれくらいなのかを説明します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
平均値と中央値はなにが違う?
平均値と中央値は、どちらもデータの中心を捉える重要な指標です。しかし、それぞれが異なる視点からデータを評価するため、理解して使い分けることが重要とされています。 ■平均値とは 平均値は、データの各値をすべて合計し、その数をデータの総数で割って得られる指標です。例えば、5人の年収がそれぞれ「400万円」「450万円」「500万円」「550万円」「600万円」だとすると、全員の年収の合計は2500万円で、平均値は5人で割った500万円であると分かります。 平均値はデータ全体の傾向を示すのに有用です。ただし、所得においては、極端に高い値や低い値に影響を受けやすいという特性があります。例えば、5人の年収に1人だけ1億円の高額所得者が含まれる場合、平均値は最低でも2300万円以上となってしまいます。 そのため、所得の基準を判断するときは、平均値だけでなく他の統計指標も併用してデータ評価することが重要です。 ■中央値とは 中央値は、データを小さい順から大きい順に並べたとき、ちょうど中央に位置する値を指します。例えば、5人の年収が「400万円」「450万円」「500万円」「550万円」「600万円」の場合、中心である500万円が中央値です。 中央値は、データのばらつきや極端な値の影響を受けにくいという特性を持ちます。例えば、年収600万円の人が年収1億円だったとしても、中央値は500万円です。このように一部の値が極端に高いまたは低いデータでも、それに引っ張られることなく中央値はデータの中心を示します。