廣岡達朗コラム「一軍に戻った浅野翔吾は太ってきた 佐々木朗希はフォークの投げ過ぎ」
自分自身の良さがなくなった
前回の連載の最後で巨人・浅野翔吾のことを褒めた。 しかし一軍へ帰ってきて何が変わったかというと、徐々に太ってきた。練習量が足りないのと、おいしいものを摂り過ぎて寝たらウエート増は当然である。 【選手データ】浅野翔吾 プロフィール・通算成績・試合速報 二軍ではぜいたくなものを食べられないためスッキリした。高松商高時代に活躍したのも体にキレがあったのだろうと思う。 巨人へ入ったら先輩の生活スタイルのマネをして太った。その結果、自分自身の良さがなくなって成績をなかなか残せなかった。せっかく二軍で体を絞って、さあこれからという矢先にこれでは元の木阿弥。打順も二番から下位へと下げられた。 本当は指導者が食生活から厳しく浅野を管理すべきなのだ。そして、二番とはこういうものだと教えるチャンスだった。にもかかわらず、相性に左右されて打順をいじる。巨人に限らず、打順をころころ変えるというのは首脳陣の自己満足に過ぎない。人間の扱いを知らない証拠だ。
フォークボールに頼っていたら……
巨人の投手陣に関して言うと、菅野智之はピッチングを知っている。それなのに、なぜ開幕投手に使わなかったのか。監督をやっていたら分かるが、ローテーションの六番手で起用したら相手投手の質も落ちる。13勝2敗(9月9日現在)という数字は当たり前だ。一番手なら相手もしかるべき投手が投げる。そこで勝たなければダメなのだ。 もう一人、戸郷翔征は手投げだ。腰を使った投げ方をしていない。フォークボールに頼っていたら投手寿命が短くなる。肩、ヒジに負担がかかるからだ。フォークボールは正規の握りではない。速い球を放るときは球と手の接触率が高い。それに対してフォークボールは指を開く。スピードの変化があるため打者は戸惑うが、そればかり放っていると投手生命は短くなる。だからメジャー・リーグではフォークボールはいけないという考え方なのだ。 最近の投手は打たれたと思ったら変化球ばかりだ。変化球は真っすぐより球速がないためストライクを放ったら打たれる可能性が高い。フォークボールで鳴らした杉下茂さん(元中日)も自らの代名詞を見せ球にして「ストライクを投げない」と言っていた。その上で速い球をアウトローへ放った。昔の投手のほうが考えていた。