2024年物流問題 規制適用始まる 食品小売改善進むも課題山積
1日からドライバーの時間外労働上限規制の適用が始まり、いわゆる物流の2024年問題の解決に向けた動きが活発化する。すでに食品小売は物流の改善を進め、SMは商慣習や発注の見直し、荷待ち時間の短縮などに連携して取り組み、CVSも配送回数の削減や異業種との物流シェアリングなどに着手した。1日からの規制適用は物流問題の解決に向けた節目だが、持続可能なサプライチェーンを構築するための通過点にすぎない。
SM、CVSでも準備進む
SMはサミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーションが昨年に発足した「SM物流研究会」を中心に取り組みが進んだ。研究会も3月には平和堂とエコスグループ4社の計5社が加わり、15社にまで増えて課題に向き合う輪が広がっている。すでに加工食品の定番品の発注時間見直し、特売品や新商品の発注・納品リードタイム確保、2分の1ルール採用による納品期限緩和、流通BMSによる業務効率化、荷待ち・荷役作業などの時間削減などドライの加工食品では課題克服の道筋が見えた。研究会によると、荷待ち時間の削減では物流センターでの荷待ち1時間超過のトラック台数の比率も昨年10月には14.8%だったが、2月には8.1%にまで減少したという。 CVSも準備を進めてきた。セブン-イレブン・ジャパンは昨年9月末から全国で常温配送を当日から翌日納品に切り替え、デイリー商品の納品便数も1日4回から3回に集約したほか、リードタイムの延長や定時納品の時間幅を広げるなど対策を講じてきた。20年に設立の日本ロジスティクス協同組合と連携し、加盟店にも物流指針を発信。3月末時点では順調に対策が進んでいるという。ローソンも昨年12月からチルド・定温商品の店舗への配送回数を順次、全店で一日3回から2回にしたほか、週に5回配送のグロサリーやフローズンも配送ダイヤを1月から2パターン化した。 異業種との物流シェアリングも広がっている。ファミリーマートはコカ・コーラボトラーズジャパンと連携し、店舗配送トラックが稼働していない時にファミリーマート店舗へ常温商品配送を使用して同一車両を2社で有効活用する。ローソンは店舗への配送トラックの非稼働時間を活用し、ワタミの食事配達「ワタミの宅食」の商品を同社の営業所に配送する。