デュークシリーズはもはやバイク界の二郎!? 全部マシで爆食だよ!!【KTM新型990DUKE 1390SUPER DUKE試乗】
────────── なんと990デュークは従来モデル比96%のパーツを更新したぞ!! ────────── 国内のデリバリーが前倒しされたばかりの新型990デュークにも触れておこう。実はこのモデルこそ初代620デュークから続く血統とされており、2018年に登場した790デューク以降パラレルツインエンジンを採用し進化してきた。スーパーデュークの初代モデルが990スーパーデュークだったことを思い返すと、以前ミドルサイズと呼ばれていたクラスはもうビッグサイズになってしまった感があるが、その話は長くなるのでまた別の機会に綴るとしよう。 さて990デュークは従来モデルと比べて96%もの構成パーツを一新している。新型のLC8Cエンジン(リキッド・コールド・8バルブ・コンパクトの意)は排気量947ccで123馬力を絞り出す。新型フレームは横剛性で8%、ねじれ剛性で5%向上しているが、その剛性力アップとバランスをとるために、新型スイングアームでは剛性を35%引き下げられている。 面白いのは新車時から走行1500kmまで“デモモード”となっており、クイックシフターをはじめとしたオプション類を使用することができる。これは1500km走行後自動的に使えなくなってしまうが、もし継続して利用したいならば正規ディーラーにて追加することができる。 それほどすぐに手放すこともないだろうが、もし新車、中古車問わず手に入れるなら見るべきポイントの一つとして頭の片隅に入れて置いても悪くないだろう。 ────────── KTM発リアルストリートファイターは見た目も中身も異次元アップグレード! ────────── 1390スーパーデュークRエボと990デュークに試乗した際のインプレションをお伝えするのだが、数メートル先も見えなくなることもある濃霧、時折強く降り注ぐ雨というシチュエーションのことなので、はっきり言ってしまうと200馬力近いバイクを飛ばす気にはなれず、むしろ慎重さが先に出てしまった。 がしかし、一方でレインモードがとても良いセッティングとなっていることは分かった。速度やバンク角をしっかりとセンシングしながら出力特性を変えてくる。もちろん加速時に水たまりを通過した際にスリップモーションを検知すると、即座に抑えてくれる。そんなだから、肩の力を抜いてバイク任せに走れば、どんな路面コンディションでもいたってスムーズに走り抜けることができる。 トラックモードにすればいとも簡単にフロントタイヤが浮き上がり、ウイリーアングルを任意にセットすることができるようなバケモノであるにも関わらず、怖くなく、安心して接することができるのだ。 もちろん電子制御デバイスの進化、これの効果は絶大だ。一方で昔からそうなのだが、デュークシリーズはスタイリングからして荒々しく思わせながらも、走り出すと想定外の従順さがあり、そもそもその根底には車体のセッティングバランスが絶妙なのだと思ってきた。 もはやデュークはバイクであって他とは別次元のノリモノだと感じている。それはラーメンという食べ物であって、初めて口にする者のラーメンに抱くイメージを覆す二郎のような存在に近しいと考える。これこそがデュークは二郎のようだと私が言う所以なのである。大ダブルニンニクヤサイアブラカラメマシマシで突っ込むべし!