防衛政務官に就任した 金子容三さん(41) 前畑弾薬庫、返還スピード感持って【インタビュー】
第2次石破茂内閣の発足に伴い、長崎3区選出の金子容三衆院議員=自民、2期目=が防衛政務官に就任した。日本を取り巻く東アジア情勢が不安定さを増す中、安全保障政策などにどう取り組むのか聞いた. -就任の心境、抱負は。 陸・海自衛隊の拠点で米軍基地がある地元佐世保の今後を良くしていきたいとの強い思いがあり、防衛政務官を希望していた。今、国家安全保障における防衛力の強化が非常に重要な戦略として挙げられる中で重責を感じている。防衛や基地、安全保障戦略といったテーマはこれからの私のライフワーク。現場の自衛官の方々や諸先輩の意見をしっかり聞きながら職責を全うしていきたい。 -日本の国防を取り巻く現状をどう見ている。 北朝鮮がこれまでになく弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、東アジアの安全保障は戦後かつてないほど厳しい環境にある。戦争を起こさないため、攻め込まれないために防衛力を強化し、抑止力を持つことは必要。防衛戦力をなくしていったウクライナにロシアが攻め込んだ例も考えると、日本を攻めようと思わせない取り組みが大事。 一つ芯に持っているのは日本は決して戦争をしてはいけないということ。唯一の被爆国であり、長崎県選出の国会議員として平和を守ることは一丁目一番地だと思っている。 -政務官としての具体的な仕事は。 主に所管するのは部隊や装備品の配備計画を考える整備計画局と、基地がある地元自治体との調整に当たる地方協力局の仕事。基地政策は市民の理解なくしては成り立たない。できるだけ全国各地を回りたい。自衛官の処遇改善も大きなテーマ。石破総理や中谷元・防衛相から指示があっている。自衛官に高いモチベーションで働いてもらえる勤務、住環境の整備などにしっかりと取り組みたい。 -米軍の艦船や空軍機を日本で維持整備しようとする動きがある。 艦船などが米本土に戻ることなく国内で維持整備できれば、日本の防衛生産・技術基盤の強靱化(きょうじんか)に加えて、修理期間の短縮や効率化を通じて米軍の即応性を高めることになると思う。結果として日米同盟の抑止力や対応力の向上にも資する。高い技術力がある佐世保でも修理ができれば、地元経済の発展につなげられると考えており、実現に向けて取り組みたい。 -米軍佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の移転・返還への取り組みは。 移転・返還は佐世保の皆さまの悲願。まずは弾薬をどのような形で新しい場所に移管するのかといった配備計画を米国側と早期に合意する必要がある。スピード感を持って調整していきたい。 【略歴】かねこ・ようぞう 佐世保市出身。ウィリアム&メアリー大院修了。大手証券会社を経て、2023年10月の旧長崎4区補選で初当選。先月の衆院選で再選した。小学校から始めた空手は大学まで続け、高校時代はキャプテン。2段の腕前。