【ささ恋】木野ひまり役、嶋野花のインタビュー公開!
『ささやくように恋を唄う』インタビュー企画の最終回となる第12回は、主人公・木野ひまりを演じた嶋野花のインタビューをお届け。 【関連画像】場面カットを見る(写真5点) 竹嶋えくによる『ささやくように恋を唄う』は、『コミック百合姫』(一迅社)にて連載中。2020年度「百合漫画大賞」第1位を獲得した話題作だ。 憧れと恋心、すれ違う “ひとめぼれ” から始まるガールズバンドラブストーリー。 亜季と志帆にどうしても仲直りしてほしいひまりは、姿を消した志帆を見つけ出し、強い意志をもって志帆をSSGIRLSのライブに連れていきます。そこでSSGIRLSの演奏と亜季の歌を聴いた志帆は……。 ついに最終回を迎えたアニメ『ささやくように恋を唄う』。「ささ恋インタビュー」も今回が最終回ということで、主人公・木野ひまりを演じた嶋野花さんにこれまでの物語を振り返っていただきました。 ◆誰かのために行動できるひまり彼女もまたみんなに支えられていた◆ ――ついに最終回を迎えました。率直な感想はいかがでしたか? 嶋野花(以下、嶋野) 亜季と志帆が無事に仲直りして、ひまりも幸せいっぱいだったので、最高の最終回だなと胸がいっぱいになりました。きっと視聴者の皆さんも亜季と志帆がどうなるのか、ずっと不安だったと思うんです。結末を見届けて、明るい気持ちになれたのではないかなと思います。 ――最終回のひまりは、志帆をSSGIRLSのステージへ連れていくという大きな役割を担いました。 嶋野 ひまりは亜季と志帆に仲良くしてほしいと思いながらも、自分が状況をかき乱してしまったという負い目もあったと思うんです。そこから志帆の過去を知り、その想いを知って、深いところまで相手の気持ちを考えられるようになったのが、この最終話だったのかなと。亜季と志帆のために行動できるひまりが眩しかったですし、本当に彼女は強くなりました。 ――第9話の試食会のときはどうなるかと思いましたが……。 嶋野 あのときはみんなに仲直りしてほしいと思いつつも、どちらかというとまだ自分本位だったんです。対立している人を天真爛漫に集められるのはひまりの魅力ですが、対面したらどうなるかまでは考えが及ばず、やっぱりうまくいかなかった。結果的に、その天真爛漫さを残しながらちょっとずつ大人になっていったのがひまりらしくていいなと思います。 ――物語の後半はローレライと過ごす時間が多かったですが、志帆たちとひまりの関係性をどうご覧になりましたか? 嶋野 依先輩やSSGIRLSの皆さんと一緒にいるときよりも、後輩感が強かったですね。 ――言われてみればそうですね。 嶋野 マネージャーという立ち位置もあって、付き合い方が完全に部活の後輩でした(笑)。もともとフレンドリーで親しみやすい子なので、そんなに大きな違いではないんですけど。でも、ローレライの皆さんが面倒見のいいお姉さん集団ということもあって、ひまりを含めた仲間感、部活感がありました。 ――ひまりが志帆たちと知り合うきっかけにもなった百々花とのやりとりも微笑ましかったです。 嶋野 私、百々花推しなんですよ! 百々花が大好きなので、二人のやりとりはアフレコ中も楽しかったですし、オンエアを見るのも楽しかったです。依先輩が百々花に嫉妬するシーンもすごく好きでした。原作を読ませていただいたときは胸が苦しくなりましたが、ひまりを演じている最中はなんだか楽しくなってしまって(笑)。依先輩の嫉妬も含めて、面白い関係性でした。 ――では、少し物語を遡ってお話を伺えればと思います。「ささ恋インタビュー」第1回では、第1話を振り返っていただきました。その後、ひまりと依の「好き」の違いから二人はすれ違っていきましたが、そのやりとりをどうご覧になりました? 嶋野 原作は依先輩の目線で読んでいたので、まっすぐに「ひとめぼれしました!」なんて言われたら勘違いしないほうがおかしいと、依先輩のほうを応援していたんです。気持ちはすれ違っているし、距離感もうまくつかめない……モヤモヤと悩む依先輩に感情移入したり、かわいいなと思ったりしながら、それでもホレさせると言い切れる依先輩が素敵だなって。でも、ひまりはひまりであの無自覚なあざとさが魅力的なので仕方ないよなと、特にアニメになってからそれを強く感じるようになりました。 ――それはどうしてでしょうか? 嶋野 「ささ恋インタビュー」第1回でもお話しさせていただきましたが、原作ではひまり視点と依先輩視点の両方から描かれていた「ひとめぼれしました!」が、アニメでは依先輩視点だけに絞られたんです。依先輩がより強く好意を受け止める演出になっているので、ますます仕方ないよなぁって(笑)。基本的にひまりを演じるときはかわいさやあざとさは意識しませんでしたが、このときだけは好意が伝わるようなお芝居を意識しました。 ――「好き」がわからないひまりに、一石を投じたのが亜季の告白でした。亜季とのやりとりはどうでしたか? 嶋野 亜季が依先輩を思う気持ちとひまりの鈍感さをしっかり伝えてくれたおかげで、ひまりは今まで以上にまわりを見られるようになりました。ひまりからすれば亜季先輩の告白は本当に怖かったと思います。でも、まっすぐ伝えてくれたからこそ、腑に落ちたんだろうなって。ひまりが自分のことで悩んで落ち込んだのってこのときぐらいなんです。依先輩を待たせ、亜季を巻き込んでしまった。この経験があったことで誰かのために悩めるようになったのかなと私は考えていて、そういう意味でも亜季には大きく成長させてもらったなと思います。 ――その亜季も最後は志帆と仲直りをしましたね。 嶋野 亜季と志帆のコンビが本当に大好きなんです! 特に志帆は「かき乱すだけかき乱すキャラクター!?」と最初は思ったくらいだったのに、その内面や過去を知れば知るほど、どんどん惹かれていって。最後の“引き寄せチュー”は最高にグッときました! ――(笑)。そして、第6話ではひまりからの告白がありました。 嶋野 アフレコ前にいただいた「Sunny Spot」の音源を何度も聴いて、ずっと楽しみにしていたシーンだったので、アフレコを終えたときはやっと付き合えたんだってホッとしたのを覚えています(笑)。 ――あのシーンを演じる際にどんなことを意識されましたか? 嶋野 ライブを聴いたテンションで「じゃあ付き合いましょう!」という流れではなく、ひまりの中でゆっくりと依先輩への「好き」が高まっていったシーンだと思ったので、依先輩への想いを噛みしめるように演じました。私の心境としては「しっかり悩んで答えを出せたんだね」、「依先輩への気持ちを本当に大事にしてきたんだね」と、後ろから見守る人のような感じでしたが(笑)。大好きなシーンなので、何度も見返しています。 ――そして、ぜひ嶋野さんご自身についても伺えましたら。嶋野さんは本作が初主演作品でした。この作品を通じて成長できたことはありましたか? 嶋野 物語を通して一人のキャラクターを演じきる経験がなかったので、『ささ恋』のおかげで「お芝居ってこういうことなんだな」と学ぶことができました。もちろん、これまでアニメのゲストキャラクターやゲームのキャラクターをやらせていただいて、勉強させていただくことはたくさんありました。でも、一人で練習して、一人で演じるのとは全然違っていて。長い時間を掛けて一人のキャラクターを積み上げていくこと、掛け合いの中で言葉を紡いでいくことの大切さを知ることができました。 ――嶋野さんは「ささ恋インタビュー」第1回で、デビューから1年ぐらいでコロナ禍に入ってしまい、ずっと分散収録だったとおっしゃっていましたね。 嶋野 そうなんです。少ない人数で、セリフもブロックごとに録っていくのが当たり前だったので、最初から最後まで流れに沿ってお芝居するのが初めてだったんです。以前、先輩方から「主人公をやると、だいぶ演技が変わるよ」と言われたことがありましたが、お芝居に対する認識は本当に大きく変わりました。 ――やはり掛け合いでアフレコするのは全然違いますか? 嶋野 全然違いました! 私が想像するひまりと掛け合いの中で出てくるひまりは、口調の細かいニュアンスもパワフルさも全然違っていて、お芝居はほかの方の演技のおかげでできるものなんだなと実感しました。 ――お芝居以外のところでは、ラジオのパーソナリティ、イベント出演や先行上映会での歌唱もありました。こちらはいかがでしたか? 嶋野 どれも緊張、緊張、緊張でした! 人前で歌うのは初めてだったので、緊張しすぎてほとんど覚えていません(笑)。ラジオは一緒にパーソナリティを務めてくださった依先輩役の瀬戸(麻沙美)さんにたくさん助けていただきました。感謝してもしきれません。でも、キャラクターのことを深掘りできましたし、アフレコでどんなことを考えていたかゲストさんに伺うことができて、ラジオってなんて楽しいんだと思いました。 ――では最後に、アニメ『ささ恋』をここまで応援してくれたファンの方へひと言いただけますか? 嶋野 最初はひまりと依先輩のすれ違いが続き、皆さん、「どうなるんだ!?」とやきもきしたかと思います。二人が結ばれたと思ったら、今度は亜季と志帆が衝突。こちらも「どうなるんだ!?」と胸を痛めながらご覧になったと思いますが、ハッピーエンドを迎えることができました。じゃあ、この先どうなるんだと気になる方は、ぜひ原作をご覧になってください。物語はまだまだ続いていきますので、これからも応援していただけたら嬉しいです。本当にありがとうございました! (C)竹嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会
アニメージュプラス 編集部