湯田 統真（仙台育英-明治大）

　いよいよ夏の甲子園が開幕する。昨夏の甲子園で準優勝に輝いたのは仙台育英。その2枚看板の一角として活躍したのが湯田 統真投手（現明治大）だった。 　 　髙橋 煌稀投手（現早稲田大）とともに甲子園全6試合に登板した湯田は25.2回を投げ、31奪三振、防御率3.20を記録。この大会で記録した151キロは昨夏の甲子園出場投手では最速だった。 【動画】明治大・湯田統真投手が振り返る聖地での戦い「強豪ばかりでワクワクした」 　仙台育英の勝ち上がりは熾烈だった。対戦相手は1回戦から浦和学院、聖光学院、履正社、花巻東、神村学園、慶應義塾。毎試合全国クラスの名門校との戦いが続いた。 　現在は東京六大学での初登板を目指して汗を流す湯田に、昨夏の甲子園を振り返ってもらった。

初戦は大会初日の第3試合「調整は本当に難しかった」

トレーニング中の湯田統真投手

――浦和学院に始まり決勝の慶應義塾に当たるま強豪相手の試合が続きました。まず組み合わせが決まった時はどんな気持ちでしたか？ 湯田　初戦で浦和学院とやることになって、僕はワクワクしました。仙台育英が入ったブロックは有名な学校が多く、みんなもワクワクしていましたよ。実際に苦しい試合も多かったですが、楽しいという気持ちの方が勝っていましたね。大会期間中、マイナスな感情はなかったです。 　くじを引いたキャプテンの山田 脩也（現阪神）は元々あまりくじ運が良くないヤツで、それまでも結構厳しい相手ばかり引いていたんです。そうしたら、案の定……（笑）。みんなで笑っていましたね。山田はくじ運も良くないですし、ジャンケンも弱いんです（笑）。 ――初戦の浦和学院は開幕日の3試合目でした。第3試合は準備が難しいと聞きますが。 湯田　開幕日の第1試合はすぐ始まるんですけど、3試合目は近くの公民館みたいな会場で待機するんです。練習会場ではない場所。初めての経験でした。 　第3試合の場合、他の日程であれば、試合開始時間に合わせてゆっくり起きることもできて、調整もじっくりとできます。しかし甲子園初日は朝9時の開会式に出ないといけません。早起きするのは確定で、試合は第3試合と遅め。そして公民館で待機。コンディションの調整は本当に難しいです。 ――実際、試合では投げにくかったですか？ 湯田　じつは浦和学院さんも同じ施設で休憩をしていたんです。お互いいつも通りの準備ができたわけではないので、やりにくさはありましたし、体も動きにくかったです。