“身長171cmの三冠王”が投高打低の中で誕生か…近藤健介30歳の成績が異次元すぎ「打率.355は2位と.039差、OPSも唯一の1.000台」
2017年には“最多打数の4割打者”になったことも
171cm/86kgの近藤は、2011年のドラフト会議で4位指名され、横浜高校から日本ハムへ入団。当初は捕手だったが、内野手を経て外野手に転向した。 1年目から一軍公式戦に出場していた近藤だが、注目されたのは3年目の2014年オフ、台湾で行われた第1回21U野球ワールドカップだった。現地メディアは4番一塁に固定された近藤を、3番遊撃の牧原大成(ソフトバンク)、5番右翼の鈴木誠也(現カブス)とともに、大きく取り上げていた。 翌年にはレギュラーになり打率.326で3位になった近藤は、2017年に破天荒な記録を達成しかかる。 前年から外野手に固定された近藤は、開幕から好調を維持し、チーム53試合目の6月6日の時点で打率.407をマーク。右太ももの張りを訴えこの日を最後に登録抹消となったが、9月28日に復帰後も好調を維持し、最終的には打率.413(167打数69安打)を記録。これは、NPB史上、打率4割をマークした打者での最多打数になる。 〈シーズン打率4割記録者の打数5傑〉 2017年 近藤健介(日本ハム)167打69安 率.413 2004年 鶴岡一成(横浜)55打22安 率.400 1972年 宮川孝雄(広島)52打21安 率.404 1936年春夏 小川年安(タイガース)44打21安 率.477 1969年 藤原真(アトムズ)39打18安 率.462 近藤は、ダントツの打数だったことがわかる。ちなみに1969年の藤原は投手である。
WBCでも見せた“選球眼+高打率”に長打力まで
近藤が高打率をマークできるのは、コンタクト力に加えて、たぐいまれな選球眼によるところが大きい。 2017年の近藤は打率.413だったが、出塁率は.557、安打数69に対して四死球は62もあった。そして三振はわずか27。ボールをぎりぎりまで見極め、安打にできる球だけを見極めて打つ。打数が少ないので1安打当たりの打率が高くなる。この精度の高さが、近藤の最大の持ち味だった。それを証明するかのように2019年、20年とリーグ最高出塁率をマーク。2019年にはリーグ最多の103四球を選んでいる。 2023年の第5回WBCでは、1歳下の元チームメイト、大谷翔平が投打に注目を集める中、近藤は2番右翼で26打9安1本5点、8四球、打率.346、出塁率5割をマーク。大谷や吉田、村上宗隆、岡本和真につなぐ役割として、最高の仕事をした。 この時点までの近藤は「シュアな打撃のアベレージヒッター」という印象だった。2022年までの通算本塁打数は10年で52本、シーズン最多は2021年の11本だった。 しかしFAでソフトバンクに移籍した2023年は26本塁打、87打点で二冠王となったのだ。意外なことに、近藤はここまで首位打者は獲得していなかったので、これが打撃初タイトルとなった。 2021年以降「打高投低」が進行し、本塁打数が減少したことが有利に働きはした。とはいえ2023年の近藤は、明らかに進化したといえよう。
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