ホカ 、初の旗艦店をNY5番街にオープン。人気絶頂ブランドが体験価値を重視する理由
アパレルを扱う全米初の店舗
ナイキとフリートフィート(Fleet Feet)に約17年間勤務した後、2月にホカのプレジデントに就任したグリーン氏は、ニューヨーク市という場所は、海外からの観光という要素に加えてローカルという側面からも旗艦店として戦略的な選択だったと話す。「ニューヨークエリアのランニングコミュニティと交流し、成長することができる。人々がやってきて荷物を預け、着替えて友人と会い、ランニングをして、再び店に戻って来て商品をチェックすることができる」。 マーチャンダイジングの観点からすると、この店舗はホカのアパレルを扱う全米初の店舗となるが、アパレルは同社が重要な機会を見出している小規模なカテゴリーである。ホカの衣料品は主にオンラインや海外の店舗で販売されているが、米国の小売市場では新しいものだという。 「アパレルは重要な役割を果たすだろう」とグリーン氏は述べた。「消費者がどのようにその商品に関与するかという点について、しっかりと理解を深め、学びたいと考えている」。 販売経験では、トレイルやランニング、それ以外を問わず、製品教育に重点を置く。グリーン氏によると、販売員は顧客に対する挨拶や商品に関する説明で重要な役割を果たすという。探している商品を顧客が見つけやすいように、店内のあちこちにはQRコードが設置されている。新しいシューズが発売されるたびに店舗ではキャンペーンを実施する。 「店内に入った人は誰もが、製品が何を達成しようとしていて、そのために私たちが何を目指しているのかを明確に理解して店を出る」とグリーン氏は言う。
顧客理解を深める機会に
今後については、旗艦店を持つことで初めての顧客やリピーターのことをさらに深く知ることができるだろうと、グリーン氏は述べた。同氏はホカがどのような顧客データツールを使っているかについては明かさなかったものの、販売データはリピーターや新規顧客について、あるいは特定のセグメントがどのように成長しているかについてなどを知るのに役立つという。また、こうした取り組みを促進するため、ホカは会員制プログラムの展開にも取り組んでいる。 さらに店舗を増やすことに関しては、将来の旗艦店の可能性も検討中だとグリーン氏は述べた。 「それは小売販売の観点からするとKPIを測定する機会だが、我々は消費者がブランドに真に求めているもの──つまり何がうまくいっていて、何が機能していないのかを理解したいとも考えている。消費者を知れば知るほど、より優位に立つことができる」。 [原文:Why Hoka is leaning on community with its first NYC flagship] Melissa Daniels(翻訳:Maya Kishida、編集:戸田美子) Photographed by Elias Parise
編集部