埼玉県内最高齢の白石さん亡くなる 老衰のため114歳で 東秩父村在住、明治、大正、昭和、平成、令和の5時代を生き抜く 関東大震災経験し「山が動いた。地割れで家に帰れないと思った」と証言も
埼玉県内最高齢、国内で3番目、世界7番目の長寿者の東秩父村白石、白石久子(しろいし・ひさこ)さんが8月26日、老衰で亡くなった。114歳。既に葬儀は家族葬で執り行われた。 101歳男性、さいたま市長が祝う 以前は毎晩自転車でカラオケ、焼肉「今も介護ない」長寿の秘訣は
孫の純一さん(51)、晶子さん(54)夫妻によると、白石さんは1910年5月19日生まれ。出身は旧竹沢村(現在の小川町)。明治、大正、昭和、平成、令和と、五つの時代を生き抜いた。24歳の時に故・栄一さんと結婚し東秩父に嫁ぎ、1女3男をもうけた。終戦前に栄一さんは戦死し、女手一つで子どもを育てた。現在、孫5人、ひ孫12人、やしゃご5人がいる。 105歳の時、村内の介護老人保健施設に入所。「皇寿のお祝い(111歳)」の際、健康の秘訣(ひけつ)は「好き嫌いがなく何でも食べる」、東秩父の好きな場所は自宅のある白石地区で、「いろんな花が咲いてきれいな所」と話していた。 近所に住む親戚の白石吉彦さん(72)は「近在の歴史を良く知っていて、白石地区の語り部だった」と振り返る。 昨年8月、関東大震災についてメディアの取材に対し、13歳の時に竹沢の河原で妹と遊んでいて体験したことを語り、「山が動いた。地割れがあって家に帰れないと思った。地震がこんなに怖いとは思わなかった」と証言していた。今年も8月8日、存命中の世界の長寿者(7番目)の一人として、米国の調査会社「ロンジェビクエスト・ジャパン」のインタビューを受け、元気に応対していたという。
純一、晶子さん夫妻は「(戦争で苦労したが)働き者で、しっかり者、愛嬌(あいきょう)もあった。穏やかで、いつもにこにこしていた」と、自慢の祖母について語った。