テオ・プルシェール、わずか数戦でインディカーのシート失う。アロー・マクラーレンがノーラン・シーゲルと複数年契約
インディカー・シリーズに参戦するアロー・マクラーレンは、ラグナセカで行なわれる第8戦を前に、ノーラン・シーゲルと複数年契約を締結。今後6号車のドライバーとして起用していくことを明らかにした。 【動画】第108回インディ500決勝ロングハイライト シーゲルはカリフォルニア出身の19歳。2019年に14歳で4輪レースにデビューすると、U.S.F2000、インディ・プロ 2000、インディNXTと、アメリカ・オープンホイール界のピラミッドを順調にステップアップしてきた。今季はインディNXTに参戦しつつ、デイル・コイン・レーシング、フンコス・ホリンジャー・レーシングからインディカーにもスポット参戦しており、最近ではマクラーレンCEOのザク・ブラウンが所有するユナイテッド・オートスポーツからル・マン24時間に出走してクラス優勝を果たした。 今回マクラーレンと契約したシーゲルはインディNXTへの参戦を取りやめ、「今季の残り10レースと2025年以降のレース」で6号車のドライバーとして参戦することになる。そのため、デビッド・マルーカスの後任として5月にチームと契約したばかりだったテオ・プルシェールはわずか数戦でインディカーのシートを失うこととなった。 アロー・マクラーレンのチーム代表であるギャビン・ワードは、次のように述べた。 「安定性と持続的な成長は、長期的なゲームプランの鍵を握っている。今回の一件はそのミッションにおける重要なステップだ」 「まず、ここ数週間6号車のドライバーとして我々と戦ってくれたテオに感謝したい。今シーズンはずっとイス取りゲームをしてきたが、最終的にノーランを起用することで、将来の土台を築くことができる。彼は若く才能豊かなドライバーであり、既に計り知れないほどの経験を積んでいるため、共に旅をすることに興奮している」 シーゲルは昨季のインディNXTルーキーオブザイヤーという実績を引っ提げ、サーマル・クラブで開催されたエキシビション戦でデイル・コインからインディカーデビュー。ロングビーチでも同チームのドライバーを務め、インディ500ではクラッシュもあり予選落ちとなった。そして前戦ロード・アメリカでは、アグスティン・カナピノの代役としてフンコス・ホリンジャーから出走した。 「今週末アロー・マクラーレンのマシンに乗り込むこと、インディカー・シリーズにおける自分の居場所を確保できたことにワクワクしている」とシーゲルは言う。 「これは予想外の出来事だけど、HMDモータースポーツからインディNXTを走った結果、このようなポジションにいられることに興奮している。今週末から地元で始まるこの新しい旅路において、チームと共に学べることを楽しみにしている」 一方で昨年のF2王者であるプルシェールにとっては、ジェットコースターのような1年となった。当初はスーパーフォーミュラ参戦のためTEAM IMPULと契約して開幕戦を走ったが、その傍らでマルーカスの代役としてインディカーにデビュー。その後マクラーレンから正式なオファーを受けたため、スーパーフォーミュラを離脱してインディカーに本格参戦することとなっていた。しかし、わずか5戦でシートを喪失した。
Joey Barnes
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