維新・馬場執行部〝最後の手柄〟 衆院2特別委の統合決定 支出抑制狙い自民に直談判
与野党は8日、災害対応に関連する衆院の2つの特別委員会を統合し「防災・災害対策・東日本大震災復興に関する特別委員会」を設置することで合意した。委員長ポスト削減などによる支出の抑制を狙った日本維新の会の問題提起が契機となった。ただ、代表選を控える維新は、馬場伸幸代表を中心とする現執行部の刷新が見込まれる。他党とのパイプを生かして国会改革を主導してきた維新の姿は、ほどなくして過去のものになる可能性もある。 【ひと目でわかる】比例得票でも〝最弱〟大阪自民、2連続で対維新「0勝15敗」 廃止されるのは災害対策特別委と東日本大震災復興特別委で、計75人だった委員は新たな特別委では40人となる。維新の遠藤敬国対委員長が6日、自民党の坂本哲志国対委員長に直談判し、統合を提案していた。 特別委の運営には、職員の人件費などを含めて年約1億2000万円の費用が必要とされ、維新は開催頻度の低い特別委の統廃合を主張してきた。昨年1月にも、維新の提案がきっかけとなって科学技術・イノベーション推進特別委員会が廃止されており、党幹部は「合わせて2億4000万円の削減効果だ」と強調する。 特別委の統廃合は一筋縄にはいかない。自民にとって委員長ポストはベテランの処遇に不可欠であり、廃止への慎重論も根強いからだ。どれだけ「税金の無駄遣いだ」と唱えても、根回し、取引といった交渉技術が伴わなければ与野党の合意は実現しない。 遠藤氏ら現執行部は、他党幹部らとの人脈構築に注力し、与野党の力学の間隙(かんげき)を縫って政策推進につなげるスタイルを貫いてきた。 維新では、先の衆院選での議席減を受けて馬場執行部の責任を問う声が噴出しており、馬場氏は次期代表選(17日告示、12月1日投開票)には立候補しない意向だ。党内には、吉村洋文共同代表(大阪府知事)に対する出馬待望論がある。 代表選後は、馬場氏に公然と辞任を要求した浅田均参院会長や、浅田氏に近い東徹元総務会長らが国会議員団の中心となる余地も否定できない。ただし、両氏には他党との太いパイプはなく、党関係者は「新執行部の顔ぶれによっては、維新は国会で埋没する」と指摘した。(松本学)