董軍国防相にも捜査の手。中国人民解放軍に汚職まん延?前任者2人に続く異常事態の背景とは
中国人民解放軍内でまん延しているとされる汚職をめぐる広範捜査で、董軍(とう・ぐん)国防相が捜査対象になっていることを英紙フィナンシャル・タイムズが11月27日、報じた。事実だとすれば、現職の国防相が3代連続で汚職疑惑がかけられる異例の事態となる。董氏は昨年12月に同職に任命されたばかり。 【全画像をみる】董軍国防相にも捜査の手。中国人民解放軍に汚職まん延?前任者2人に続く異常事態の背景とは 同紙によると、董氏の調査は中国軍で続いている一連の汚職摘発に関連しているが、具体的な嫌疑は不明という。習近平指導部のもと、軍は昨年以来、汚職撲滅を掲げて徹底的な粛清を行っており、これまでに軍の将軍が少なくとも9人と、防衛産業の幹部数人が摘発されている。 董氏の前任は昨年3月に国防相に就いた前任者の李尚福(り・しょうふく)氏だったが、欧米や香港のメディアが軍をめぐる汚職疑惑を報じる中、2か月間動静が不明になった後、就任から7カ月の2023年10月に解任された。 また、その前任者の魏鳳和(ぎ・ほうか)氏も汚職疑惑のなか解任された。その後、李、魏両氏は今年6月、汚職の婉曲表現「重大な規律違反」があったとされ、共産党の党籍も剥奪された。 董氏は20日と21日の2日間、ラオスの首都ビエンチャンで開かれたASEAN=東南アジア諸国連合の拡大国防相会議(ADMMプラス)に出席。台湾をめぐるアメリカの行動を理由に、同会議に参加していたアメリカのオースティン国防長官との面会を拒否。一方日本の中谷元防衛相らとは会談したばかりだった。 フィナンシャル・タイムズ紙によると、中国軍をめぐる捜査により習主席の軍への信頼は失墜し、習氏が目標として2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう下した指示が現実的に可能なのかについても、米軍当局者は疑問視している。
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