生成AIで「仕事」が根底から変わる SDGsのカギ 複雑な社内文書活用支援のシナモン会長に聞く
SDGsが企業の競争力の源泉に
――加治さんのCSDOという肩書は珍しいと思いますが、このようなポジションを設けた背景は何でしょうか? 「CSDOやCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー) は、サステナビリティーに関わる最高責任者として、自社の戦略を立てたり社外へ発信したりする役割があります。ESG(環境・社会・企業統治)への関心が高まる中で、日本企業でも少しずつ広がりつつあります。当社として『社会課題に向き合うスタートアップだ』ということを伝える狙いがあります」 ――加治さんは自治体のスーパーシティーやスマートシティーの取り組みにも携わり、「世界平和経済人会議ひろしま」の特別顧問も務めています。様々な活動を通して見えたSDGs達成への課題や手応えについて教えてください。 「2011年から3年間、内閣官房の国際広報室のメンバーに公募で選ばれ、仕事をしました。すぐに東日本大震災が起き、被害状況を海外に発信するなど様々な経験をしました。この3年間でSDGsの認知度を上げることの重要性や、人と自然とテクノロジーの調和についてより深く考えるようになりました」 「今、日本企業でも二酸化炭素(CO2)削減やジェンダー平等の実現など、SDGsの取り組みが競争力の源泉になっています。象徴的なのは2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しです。最上位のプライム市場上場会社にはサステナビリティーに関する様々な情報開示が求められ、海外投資家の注目度も高まっています。17の目標達成に向けた日本企業の取り組みはより加速すると思います」 (ライター 国分瑠衣子)