自信がなく、人生に焦りを感じる人ほど「自分を変える」必要はない
自分を変えようとしなくていい
内向型の人の中には、常に「もっと変わらなければならない」という焦りを感じている人も多いのではないでしょうか。そんな焦りを軽くするには、いくつかポイントがあります。 まず大切なのは自分を変えるのではなく、「認知」を変えること。そして、心のスイッチを見つけることです。 内向型の人や自信がない人は、自分自身を変えようとしがちです。しかし、本当は自分自身を変える必要はないのです。大切なのは、「私」という存在を変えるのではなく、私が世の中をどう捉えるか、つまり「認知」を変えることです。人間は根本的には変わりませんが、認知を変えることで、同じ自分でも異なる自信や挑戦力を感じることができるのです。 私は、コーチングを通して持つ相談者の方をサポートしていますが、認知が変わると、それまで自信がなかった人が急に自信に満ち溢れ、挑戦的になれることがよくあります。同じ人なのに、表情や行動がまったく違うように見えるのは、まさに認知の変化が起こっているからです。 内向型の人はしばしば、自分を変えようとして苦労します。たとえば、会議で即座に発言できるようになろうとか、人間関係のコミュニケーション術を学ばなければならないと考えることがよくあります。しかし、それは生まれつき得意な人たちと同じ土俵で戦うことになり、かえって辛い状況に陥ります。 内向型の人は、インプットからアウトプット(発言)までに少し時間がかかるだけなので、その「時間の差」を認知してうまく使えば、非常に良い仕事ができるのです。
共通する「心のスイッチ」を見つける
もう一つ大切なことは、「心のスイッチ」を見つけることです。最近は「好きなことを見つける」「やりたいことをやる」といった自己実現のトレンドが広まっていますが、それだけでは十分ではありません。 好きなことややりたいことは、年齢や環境によって変わるものです。しかし、「心のスイッチ」とは、時代や環境が変わっても変わらない根源的な欲求のことです。これを見つけることが、自分が本当に生き生きと仕事や人生を楽しむための鍵となります。 私の例で言うと、ギタリストとしての活動、保険営業、コンサルティング、コーチングなど、これまでの仕事や役割は全く異なります。しかし、私の「心のスイッチ」は共通していて、それは「ハックすること」、つまり何かを攻略し理解することへの欲求です。営業やSNSマーケティングでも、目指すのはその「謎を解く」楽しさです。だからこそ、どんな仕事でもやりがいを感じられるのです。 重要なのは、欲求に対してジャッジをしないことです。自分の根源的な欲求には、良いも悪いもありません。それをどう活かすかが大切なのです。 この「心のスイッチ」を見つけることで、自分の認知を変え、無理せずに自然と人生が変化していくプロセスに向かうことができます。 (取材・執筆=PHPオンライン編集部 片平奈々子)
本橋へいすけ(pure life diary開発者/ライフコーチ)