初勝利への扉開いたスローカーブ 帯広農バッテリーの投球術 交流試合
◇○帯広農4-1健大高崎● 2020年甲子園高校野球交流試合は第5日の16日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、第2試合は今春のセンバツに21世紀枠で選出された帯広農(北海道)が昨秋の明治神宮大会準優勝の健大高崎(群馬)を4―1で降した。 【がらんとしたスタンド】甲子園、いつもと違う夏 スローカーブを、もう一球。マウンドの右腕は、捕手のサインに応え続けた。 二回、1点を奪われ、なお2死二塁のピンチ。帯広農・井村は健大高崎・下に対し、外角低めのスローカーブで打ち気をそらした後、同じコースのスライダーで泳がせて二ゴロに仕留め、流れを渡さなかった。その後も100キロ台のスローカーブを効果的に使い、3併殺のバックにも助けられて、6回1失点の好投。昨秋の明治神宮大会準優勝の強豪相手に先発の役割をまっとうした。 井村は「速い球は投げたいけど」と正直に打ち明ける。だが、直球は速くて130キロ前後。「遅い球の方がボールが飛ばない」と開き直り、いつもより遅い球の割合を増やしたことで「甲子園初勝利」への道が開けた。 卒業後は公務員になるのが夢だ。野球の真剣勝負はこれが人生最後かもしれない。「最後に笑顔で終われてよかった」。夏の思い出を胸に、北の大地に帰る。【新井隆一】 ◇最終日もライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。