トラヴィスのフランが語るザ・キラーズとの交流、晴れやかな現在地、日本で暮らしたい理由
日本で暮らしたい理由、故郷グラスゴーへの想い
─最後の質問です。これからも、しばらくLAで暮らすのですか? フラン:それは、ない。日本で暮らしたいな。 ─夏は異常に暑いですよ!! フラン:暑いけど、暮らしてみたいと思う。何が理由だったかは分からないけれど、何年も前に日本に来た時、ここはいいなと思ったんだ。ここに来て、しばらく住んでみたら面白いと思う。いつになるかわからないけど、実現させるよ。息子がニューヨークのクーパー・ユニオン(芸術、建築、工学に特化した名門私立大学)に通うことになるから、もしかしたら僕もニューヨークに行くかもしれないな。でも、これまでとはまったく違うところに住んでみたい思いもある。日本に住むうえでの唯一の問題は、僕たちのビジネスがある場所からとても遠いこと。でも、僕は、キミの国とキミの国のやり方を愛している。輪廻転生って言うのかな、あまり信じてはいないんだけど、初めてここに来た時から、以前ここに来たことがあると感じていた。幼い頃、松濤館流の空手に通っていて、日本と日本文化にとても魅了され、空手を通じてそれを学んだ。そして実際ここに来ると、この場所を知っているような気がして大好きになったんだ。本当に大好きなんだよ。 今、来年のツアーを組んでいる最中なんだけど、来日するなら、東京、大阪、名古屋以外の場所に行ってみたいな。日本は大きな島国だから、大きくない町で、小さなショウをたくさんやってみたいね。 ─グラスゴーには戻らないのですか? フラン:うん。23年間暮らして、僕のグラスゴー期はもう終わったんだ。グラスゴーは大好きだよ。でも、どこにいても自分の中にグラスゴーはあるし、感じることもできるからいいんだ。 ─『L.A.Times』に収録されている、息子さんに捧げる曲「The River」をスコットランドなまりで歌っているのには、特別な意味があるのかな?とも思ったのですが。 フラン:この曲に限らず、アルバムには何曲かスコットランド風の曲があって、それらはスコットランドのアクセントで歌っている。すべてのメロディに合うアクセントではないけど、独特の味わいがあるんだ。先週は、グラスゴーの路上でバスキングをしたんだ。写真、見せるね(と、スマホの中の写真を見せてくれる)。昔ながらのグラスゴーの人たちは、とてもユニークなユーモアのセンスを持っていて、この時も、僕が「1,2,3,4」とカウントしたら、一人の男性が「5!」って言ったりして。ばかばかしいけど、おかしいでしょ? これがグラスゴーなんだよ。 --- トラヴィス 『L.A Times』 発売中
Mika Akao