AI時代に通用する賢さとは? 子どもが人前で話せるようになる<3つの力>の鍛え方
プレゼンアドバイザーの竹内明日香さんによると、学校の国語のテストや入試問題において、<子どもたち自身の意見>を問う設問が少ない傾向が続いているそう。このような状況のなか竹内さんは、子どもたちの「話す力」を育てるための講演や授業を全国で行っています。そこで今回は、竹内さんの著書『話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』より、家庭でできる子どもの「話す力」を育てるメソッドを一部ご紹介します。 【書影】家庭でできる、子どもの「話す力」を育てるメソッドを紹介。竹内明日香『話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』 * * * * * * * ◆AI時代の「話す力」 最近は、家庭や教育現場にAI(人工知能)が浸透してきました。 AIの急速な発展により、社会構造が大きく変化し、効率的に物事が進められるようになる一方で、「AIに仕事を奪われるのでは?」と不安な気持ちや懸念を抱く方もいらっしゃいます。 いずれにしても、今の子どもたちは、望む、望まないにかかわらず、AIと共存していく時代を生きていかなければなりません。 実は、「話す力」を養うプロセスでは、AIには難しいとされる人間だからこそ持つ力も鍛えていきます。 またもちろん、AIにできることが増えていくからこそ、AIをうまく活用することで「話す力」を磨きやすくなるという側面もあります。 子どもたちにとって、AI時代を生き抜く上でも、「話す力」のトレーニングは、さまざまなメリットがあるのです。 では、「話す力」を養う過程で身につけるどのような力が、AI時代を生き抜く上でも有効なのでしょうか。 ここから具体的に、3つの力をご紹介します。
◆1つ目「問いを立てる力」 1つ目は、「問いを立てる力」です。 「話す力」の授業で、私は、プレゼンや発表で自分の思いを伝えるために、3つの過程を通るとご説明しています。 その過程とは、「広げる(幅広く「イイタイコト」に関連しそうな情報を収集する)」、「深める(問いを立てる)」、「選ぶ(集めた情報を取捨選択し、相手に伝わりやすくなるように整理し、発信する内容を絞り込む)」の3段階ですが、この3つのプロセスで最も重要なのが「深める」こと。 つまり、漠然とした思いを、「私はどうして**がしたいのか」「**の方がより良いと思うのはなぜか」「そういう時は**こそ大事なのではないか」といった具合に、自分の「イイタイコト」を研ぎ澄ましていく作業です。 この「深める」作業でとても重要になってくるのが、「問いを立てる力」です。 どのように問いを設定するか、その問いの立て方次第で、その後の展開が大きく変わるからです。 現時点でAIは、あふれんばかりの情報の中から、どのような問いを立てるのが良いのかを判断することはできません。