「うちの子、ゲーム依存?」と感じた保護者が最初にできること【体験談&専門家解説】
そもそも、ゲーム依存の定義や判断基準は?
お子さまを見て「ゲームしすぎ」と思っても、ただ遊ぶ時間が長いだけなのか、ゲーム依存の傾向があるのかは、判断しにくいですよね。 「現在はゲーム依存かどうかを判断するにあたって「DSM-5」と「ICD-11」という2つの診断基準が主に用いられています。2つの診断基準に共通する重要な要素が、《主要性》(ゲームが生活の主要な部分を占めている)と《統制不能》(自分でコントロールできない)です。この2つの要素が強くみられるなら、ゲーム障害やゲーム依存のリスクが高まっている状態、と考えるとわかりやすいでしょう」(大野先生) 「DSM-5」と「ICD-11」について詳しく解説すると、「DSM-5」は、2013年にアメリカ精神医学会が発表した精神障害の診断に関するマニュアルに、インターネットゲーム行動症のチェックリスト案が掲載されています。 9項目のうち5つが1年間でみられた場合、依存の疑いが強いと考えられます。
また「ICD-11」は、2018年にWHO(世界保健機関)が発表した国際疾病分類で、ゲーム障害およびオンラインゲーム障害についての記述があります。 3項目すべての行動が1年以上(重篤な場合、期間は短くなります)継続または反復してみられれば、ゲーム障害の可能性が疑われるということです。 オンラインゲーム版:主にオンラインで行われるゲームの障害は、インターネット上で行われる永続的または反復的なゲーム行動(「デジタルゲーム」または「ビデオゲーム」)のパターンによって特徴付けられる 1)ゲームに対する制御の障害(例えば、頻度、強度、継続時間、結果、状況) 2)他の生活上の利益および日常の活動よりも、ゲームを優先する 3)否定的な結果が生じているにもかかわらず、ゲームを継続または増加させる。行動パターンは、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において、重大な障害をもたらすほど強い。ゲームの振る舞いのパターンは、連続的、または一時的かつ反復的であり得る 出典:ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics ただし、「診断基準に当てはまる=ゲーム依存」というわけではなく、ほかの疾患や普段の生活などさまざまな要素を考慮したうえで医療機関が診断を行います。