佐々木さんが電子書籍「みすゞさんの詩に学ぶ 心の目」制作【山陽小野田】
山陽小野田市有帆の佐々木憲徳さん(69)が電子書籍の実用書「みすゞさんの詩に学ぶ 心の目」を制作した。長門市出身の童謡詩人、金子みすゞの詩を通して物事の本質を見極め、判断することの大切さをつづっている。 みすゞの作品から「犬」「大漁」「つもった雪」「星とたんぽぽ」を引用し、実際には見えない物事に心の目を向け、本質を捉える考え方を提唱。後半は、教師だった自身の実体験や、黒いランドセルで登校する女子児童の実話を基にした創作童話などを通して、固定観念や先入観で表面的な出来事だけを捉えていることに警鐘を鳴らしている。 佐々木さんは徳山市(現周南市)出身で山口大教育学部卒。長年、宇部、山陽小野田市などの小学校で教員として働き、定年後の5年間は埴生公民館(現埴生地域交流センター)で館長を務めた。2012年には「国語科授業の基礎技術」を出版した。 表紙の絵は、めいでイラストレーターの岡村透子さんに依頼。「みすゞが現代に生きていたら」をテーマに描いた女性のかわいらしくて大きな目が印象的だ。 佐々木さんは「立場がある人ほど考え方を変えるのが難しく、心の目で見られなくなっている。みすゞさんの多角的な視点を参考にすることで、子育て中の親や教育者が自身を振り返る機会になれば。電子書籍はどこにでも持ち運べるので、隙間時間などに読んでもらいたい」と話した。 アマゾンの電子書籍サービス「Kindle(キンドル)」で発売している。