43歳、この年齢で始めて「一人で映画」に挑んだ趣味ゼロの私。そこからみるみる「驚くばかりの世界」が広がっていく一部始終
日々が飛ぶように過ぎていく中、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんな中「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。体験談をご紹介します。 ■ジュンコさん 愛知県在住,45歳、小児病院の医局秘書。夫、大学3年と専門学校1年の娘2人の4人暮らし。仕事は8年前から始め、子育てが終わったいまは、自分のやりたいことにチャレンジ中。 【私を変える小さなトライ#8】前編
「私、何も趣味がないな」。43歳の誕生日を迎えた私が、心機一転で挑んだことは
こんにちは、ジュンコです。皆さんの体験を読んで、私もぜひシェアしたいと思って、ここ2年くらいの挑戦をお話しします。「一人では何にもできない」と思っていた私が、「一人で行動した」のをきっかけに自信が生まれて、びっくりするくらい世界が広がっていった、そんな体験です。 24歳の時に結婚して、ずっと家族中心で暮らしてきました。私の場合は娘2人に聴覚障害があったので、付きっきりで面倒を見なくちゃいけなくて、子育てがかなり大変だったんです。自分のために使える時間なんて全くなくて……。 最近になって、子どもも大きくなったので、やっと好きなことができるようになったと思ったんですが、ハッと気づいたら、「私、何も趣味がないな」って。38歳から働きには出ていたものの、家と仕事場の往復だけで、ママ友以外に友達もいない。愕然としてしまいました。 子どもも一人で出かけられるようになって、上の子が大学受験で塾に行く前に「一人でラーメン屋に行った」とか、「カレーを食べてきた」とか、ついには「一人しゃぶしゃぶに行った」なんて話を聞いていたら、「私はそんなこと、やったことない。私もやってみたい!」と思い立って。43歳の誕生日に有給休暇を取得して、「一人映画」にチャレンジしてみたんです。といっても、いつも家族で行っている、家から近い、イオンのショッピングセンターの映画館なんですけどね(笑)。 それまで友人に囲まれて暮らしてきたこともあって、一人で何かをするという経験はほぼありませんでした。だから「一人で映画を見る」ことがとても新鮮な気分で。 行こうと思い立ったときは「あの人一人ぼっちだ、かわいそう、なんて思われるのかな」なんて、どうでもいいことが気になっていました。でも、行ってみたら周囲のお客さんはほとんど一人(笑)。「なんだ、みんな一人でいろいろやっているんだな」と勇気をもらいました。 映画が終わって帰宅して、ちょっと興奮さめやらぬままお風呂に入りながら、「私も一人でいろいろできるんだ!」と達成感をしみじみと味わって。次に何をしようって考えてテンションが上がるような、不思議な勇気で満たされました。次の日からしばらくは周りの友達にも「私、一人で映画に行ってきたんだよ」って自慢しちゃいました。