FIA選手権史上初!「フォーミュラE」女性ドライバー限定テストセッションを、マドリードで開催
プレシーズンテストで最速のGEN3 Evoを初走行
FORMULA E OPERATIONS LIMITEDは2024年11月12日、スペイン マドリードで開催されたシーズン11プレシーズンテストにおいて、女性ドライバー限定のテストセッションを開催したことを明らかにしました。F1マシンより3割増し速いという最新GEN3 Evoとともに、新しいシーズンを盛り上げてくれることになりそうです。 【写真はこちら】 新シーズンに向けて日産チームに貢献できたことをうれしく思います ── アビ・プリング選手(全3枚) FIAフォーミュラE世界選手権は、世界初の電気自動車によるFIA世界選手権として2014-2015シーズンから始まりました。世界各国の自動車メーカーに電気自動車に向けたイノベーションを加速させるために、モータースポーツプラットフォームを提供しているフォーミュラEは、カーボンニュートラルであることが認証された、唯一のスポーツだといいます。 2024年12月7日(土)のシーズン11の開幕に先駆けて、その公式プレシーズンテストが2024年11月5日(火)からスペイン マドリードのハラマ・サーキットで開催されました。 4日間、6回に分けて計3時間実施されたテストセッションにおいて選手たちは、累計4731ラップ、およそ1万8512kmを走行。ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が、11月8日午前中の最終セッションで1分27秒461の最速タイムを記録しています。 そんな中、話題となったのが女性ドライバーのみの限定テストセッションです。「ジェンダーによる障壁を取り除き、活躍の機会を提供する」というフォーミュラEの長期戦略に基づいて、選抜された女性ドライバー18人がGen3 Evoで参加しました。 女性限定でのテストセッションは、FIA選手権史上初のこと。どの選手も最新のマシンに初めて乗ったようですが、わずかな時間で見事に乗りこなし、その優れたパフォーマンスを愉しんだそうです。
収集されたデータは本シーズンに向けた課題の解決に活用
プレシーズンテストに選抜された女性ドライバーは、以下のとおりです。日本からは、小山美姫選手(ローラ・ヤマハ ABT)が参加しました。 【公式プレシーズンテスト 女性ドライバー ラインナップ】 ● ジャガーTCSレーシング:ジェイミー・チャドウィック、リル・ワドゥー ● タグ・ホイヤー ポルシェ:ガブリエラ・ジルコヴァ、マルタ・ガルシア ● DS PENSKE:ジェス・エドガー、ベイツケ・フィッサー ● 日産:アビ・プリング ● アンドレッティ:クロエ・チェンバース、ネレア・マルティ ● エンビジョン・レーシング:アリーシャ・パルモウスキー、アリス・パウエル ● NEOMマクラーレン:ビアンカ・ブスタマンテ、エラ・ロイド ● マセラティMSGレーシング:タチアナ・カルデロン、キャリー・シュライナー ● ローラ・ヤマハABT:小山美姫 ● マヒンドラ・レーシング:レナ・ビューラー ● Kiro Race Co:シモーナ・デ・シルベストロ このうち最速タイムを記録したのは、在F1アカデミーで首位に立つ英国人ドライバーアビ・プリング(日産)。2位にジェイミー・チャドウィック、3位にマクラーレン開発ドライバーでF1アカデミーのレーサーであるビアンカ・ブスタマンテ(NEOMマクラーレン)がつけています。 【アビ・プリング(日産)のコメント】 「本当にワクワクするセッションでした。シミュレーターで学んだことを実際のレースで活かし、日産のフォーミュラEレーシングカーを運転するスリルを体験できて素晴らしい気分です。ラップタイムも好調で、とてもうれしいです。タイヤのピーク時には、もっとタイムを縮めることができたと思いますが、全体としては満足のいくパフォーマンスでした。チームの皆さんはとても素晴らしく、すべてを丁寧に説明してくれて、どのような質問にも答えてくれました。新シーズンに向けて日産チームに貢献できたことをうれしく思います。また将来、このレーシングカーに乗れる機会を楽しみにしています」 開幕戦は2024年12月7日(土)、ブラジル サンパウロにて。女性ドライバーたちの走行によって得られたさまざまなデータは、数週間後に控えるサンパウロでの開幕レースの準備を進める各チームが問題点の改善などに活用するそうです。
Webモーターマガジン編集部