専業主婦世帯と共働き世帯は何世帯?働く女性の平均年収はいくら?それぞれの家計実態を比較してみた
世帯年収の平均・中央値をチェック
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」から世帯年収の平均・中央値を見てみましょう。 資料によると、世帯年収の平均は「545万7000円」、中央値は「423万円」となっています。 この金額は共働き世帯だけでなく母子世帯や高齢者世帯などの、複数パターンの世帯年収を平均として算出しています。 また、平均所得金額以下の割合が61.6%を占めており、半数以上の世帯が平均に届かない年収となっています。 ただし平均値は収入の高い世帯の金額によって引き上げられるため、実態に近いのは中央値です。 世帯年収の中央値は「423万円」となっており、この金額を基準にご自身の世帯年収と比較してみるとよいでしょう。 世帯年収より中央値が低かったとしても、家庭事情は人によって異なります。 世帯年収が低くても十分に満足できる水準で生活している方もいることでしょう。 なお、多くの女性が結婚や出産などのライフイベントを機に、仕事を「退職した経験がある」というデータも出ています。 専業主婦世帯のなかには、そういった「働きたくても働けない事情がある」という人も含まれています。 次章では、そんな既婚女性のキャリアについて、最新の調査結果から深掘りしてみましょう。
結婚や出産で「退職した経験」がある人が78.2%
「しゅふJOB総研」(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス)は「正社員経験と退職」をテーマに、就労志向の既婚女性にアンケート調査を行いました。 調査概要は以下の通りです。 <調査概要> ・調査手法:インターネットリサーチ(無記名式) ・有効回答者数:606名 ※既婚女性のみ ・調査実施日:2024年3月12日(火)~2024年3月19日(火)まで ・調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト「しゅふJOB」登録者 ・リリース公開日:2024年5月9日 ●既婚女性「家事と仕事ワンオペが現実。会社や社会の理解がない限りキャリアは捨てるしかない」 正社員として働いていた方も、結婚後はライフイベントの変化によってさまざまな影響を受けることがあります。 就労志向の既婚女性で、過去に正社員として働いたことがある方の78.2%が「結婚や出産が理由でパートなどの雇用形態に変えた、または退職したことがある」と回答しました。 退職したことがある人に理由を尋ねたところ「正社員として働き続けるのは心身に負担がかかる」が最多の46.4%に。 次いで「正社員として働き続けるのは時間的に難しい」が43.9%、「家族の協力が得られなかった」が25.4%と続きました。 子どもの有無で比較すると、子どもがいない人は退職経験者が64.5%であるのに対し、子どもがいる人は80.1%と15ポイント以上高くなりました。 調査からは、母になることで正社員を退職する比率が高く、かつ正社員経験が短くなる傾向があることが分かりました。 フリーコメントでは「家事と仕事ワンオペが現実で会社の制度が無い限りキャリアは捨てるしかない」「もっと社会全体で、自由度の高い勤務時間と仕事量、協力関係を変化する状況に応じてすぐに対応できるなどの環境構築が大切かと思う」など「子育てしながら働くには会社や社会全体の理解が必要」という意見が見られました。 一方で「通勤時間を含めて仕事に拘束される時間が少なくなれば、家庭と仕事の両立をしやすくなる人も多いと思う」「在宅ワークがもっと増えれば良い」などの意見もあり、就業環境を改善すればキャリアを諦めずに済むのではないか、という希望を持つ人も確認できました。 コロナ禍以降、在宅勤務の会社はスタンダードになりつつあります。 もし今「キャリアを積みたいけど育児が負担で退職を検討している」という方は、「在宅勤務」や「在宅ワーク」のお仕事に転職してみるのも、家庭とキャリアを両立する一つの方法かもしれません。 次章では、将来に向けた資産対策について、ファイナンシャルアドバイザーの視点からアドバイスをお送りします。