中古ビルが未来型ホテルに大変身!? 「コンバージョンホテル」とは…
カプセルホテルでもビジネスホテルでもない、「コンバージョンホテル」と呼ばれる新たな宿泊施設が急増している。 全国に18施設を展開するファーストキャビンは、飛行機のファーストクラスをイメージした内装だ。客室の「ファーストクラスキャビン」の面積は4.4平方メートル。一般的なカプセルホテルよりも広い設計となっている。 マレーシアからの宿泊客は「東京でカプセルホテルに泊まったことがあるが、ここの方がきれいで広いし、値段もちょうどいい」と話す。 ファーストキャビンは中古のオフィスビルなど既存の建物をコンバージョン(用途転換)し、キャビンと呼ばれる客室を現場で組み立てることで工事期間を大幅に短縮。建設コストを抑えている。 東京・渋谷区に今年3月オープンしたザ・ミレニアルズ渋谷。 こちらもオフィスとして使われていたビルの3階から10階をホテルにコンバージョンした。 宿泊客はiPod touchを渡され、専用アプリでベッドのリクライニングや照明をコントロールできる。3階と4階は共用スペースで、宿泊者同士の交流の場にもなっている。オープンして以来、稼働率は約9割を維持しているという。 訪日外国人の急増により日本各地でホテル不足が続いている。みずほ総合研究所が今年1月に発表した調査によると、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には最大で1万4000室不足する。 こうした中、ホテル需要を見込み、中古ビルをコンバージョンする動きが活発化している。 ホテルやアパートを複数所有する個人投資家の竹内靖智さんは、石川・金沢市にある築38年のオフィスビルをゲストハウスにしようと考えていた。竹内さんは「今まではアパートなど住居を買ってきたが、今後は訪日外国人に向けたホテルやゲストハウスを増やしていく。普通のアパートより(ホテルにした方が)収益性が違う」と話す。 中古ビルをホテルにコンバージョンする動きはしばらく続きそうだ。