ジュニア70名が出演! 帝国劇場 新春公演『Act ONE』レポート【辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン】|CLASSY.
◆「Beauty」を掲げる美 少年と「Passion」を見せる少年忍者
美 少年は、「Beauty」を掲げるだけあって、白い王子様のような衣装で登場。邸宅のセットはメンバーをかたどったステンドグラスが飾られ、かなり作り込まれていてさすが帝国劇場です。6人の貴公子たちは「日本の美しさを見せてあげるよ」と和傘を使ったパフォーマンスを見せました。やんごとなき雰囲気なのに、「ねぇもっと」という曲の最後のセリフが官能的でギャップにドキドキしました。しかもダンスしていたので、「ハァハァ」という息づかいまで……。各グループ、それぞれ違った魅力があってキャラがかぶっていないので、争う必要がないのでは?と思えてきます。 21名の少年忍者のパフォーマンスは圧倒的な迫力がありました。ブレイキンやパルクール、バク転など……。紅白で郷ひろみがサポートされながら披露した片手立ちの技も軽々こなしています。ロープをつかんだ回転もかなり高速で、シルク・ドゥ・ソレイユレベルの高度な技を見せられたようです。ポテンシャルが渦巻くグループだと改めて実感。
◆希望を感じさせる第一幕の幕開けとなった『Act ONE』
それぞれのパフォーマンスを発表した後、グループどうしの争いはいったん落ち着き、「今はとにかく信じて進むしかない!」「そうやって言い聞かせないとオレらの未来なんてないんだ」「この闇を突き抜けて走り続けたい」などと心情を吐露する各メンバー。「こんな不安な時にオレたちはどういればいいんだよ!」「オレたちも自分たちのことで精一杯なんだ!」と、今、彼らが置かれている状況を表すようなセリフが胸に迫ります。 「オレたちの楽しみは、何よりも目の前にいる人たちを楽しませること」「これがオレたちの『Act ONE』」と、前向きな言葉も出てきてよかったです。「闇を突き抜けて」という曲の歌詞が心に響きます。これまでスポットや歓声を浴びて称讃されてきた彼らが、昨年から逆境を経験し、セリフのように不安にかられることもあったことでしょう。しかし才能や可能性には闇を突き抜けるパワーがありました。何より、光と闇、ポジティブとネガティブを経験したことで、歌やダンスや演技にさらに深みが出てきたように思いました。「Act ONE」、第1幕は希望を感じさせる幕開けとなりました。
■辛酸なめ子 イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は『女子校礼賛』(中公新書ラクレ)、『電車のおじさん』(小学館)、『新・人間関係のルール』『大人のマナー術』(光文社新書)など。