[クラウンスポーツ]より14年も早かったの!? 早すぎた[スカイラインクロスオーバー]今思えばアリじゃない!?
クラウンクロスオーバーが出てからもうすぐ2年が経とうとしている。セダンが売れない現代で生き残りを図ったクラウンはクロスオーバーとなり人気を博している。ところがその15年も前に日産から名車スカイラインをクーペSUVにしたスカイラインクロスオーバーが発売されていたのだった。 【画像ギャラリー】スカイラインなのに丸テールじゃないの!?スカイラインクロスオーバーの全貌が衝撃(13枚) 文:西川昇吾/写真:日産
■インフィニティの日本版
スカイラインクロスオーバーは2009年4月に日本市場での販売を開始した。日本市場では馴染みがあり、歴史がある「スカイライン」の名が採用されたが、このモデルは元々北米市場で高級ブランド「インフィニティ」から販売されていたEXである。 スカイラインと言えばプリンス自動車から続く、日産の歴史と走りを象徴する1台であり、セダンとクーペが基本となっている。そこに新たに加わったクロスオーバーは、「クロスオーバー」の名が表しているように、クーペとSUVの融合から生まれたモデルである。 今でこそCピラーが大きく傾斜したクーペSUVのスタイリングはトレンドの最前線を走るデザインだが、スカイラインクロスオーバーのデザインを見ると、そのトレンドの前から、クーペSUVというジャンルにチェンジしていたモデルでもあった。 また、FRらしいロングノーズやフロントとリアのフェンダーを繋ぐウエストラインなど、SUVの王道から逸れたそのデザインは、あくまでも走りのスカイラインの派生モデルであることを強く主張しているかのようであった。
■プラットフォームはまさかのスカイラインと共通
走りを重視するスカイラインらしいポイントがメカニズムからも現れている。 近年のSUVはFFベースのものが主流となっているが、なんとこのスカイラインクロスオーバーはFR、もしくはFRベースの4WD、しっかりとエンジンも縦に置かれている。何を隠そう採用されているプラットホームはスカイラインやフェアレディZと同じFMプラットホームであった。 エンジンはZ34型フェアレディZと同じ3.7L V6のVQ37VHRのみのラインアップという男気溢れるもの。ハイブリッドとかダウンサイジングターボなんて軟派なパワーユニットは用意されていなかった。 そして4WDには、電子制御トルクスプリット四輪駆動システムである「アテーサE-TS」を採用していた。 SUVのスカイラインと聞くとスカイラインの名前をマーケティング上の都合で借りた「名ばかりスカイライン」と思ってしまうかもしれないが、各種メカニズムを見れば見るほど、スカイラインの名に恥じない走りへのこだわりが見て取れるモデルなのだ。