ある事情を抱えた4人家族の物語。好評を得たミュージカル『next to normal』日本独自演出版の再演が明日開幕
2009年にブロードウェイで初演され、日本ではレプリカ版やダイジェスト版を経て、2022年に上田一豪(『この世界の片隅に』『四月は君の嘘』)演出版として新たに上演された『next to normal(ネクスト・トゥ・ノーマル)』。ピューリッツァー賞にも輝いた、ブライアン・ヨーキー(『イフ/ゼン』『ザ・ラストシップ』)による骨太なストーリーとトム・キット(『イフ/ゼン』『ハイ・フィデリティ』『フライング・オーバー・サンセット』)によるエネルギッシュな音楽はそのままに、上田が現代の日本の観客に寄り添って丁寧に演出した舞台は深い感動をもたらした。明日12月6日(金)、東京・シアタークリエにてその再演の幕が開く。 ミュージカル『next to normal』2024年キャスト 直訳すると「普通の隣」という意味を持つ本作が描くのは、一見“普通”のようで、ある事情を抱えた4人家族の物語。母ダイアナ(望海風斗)は双極性障害を患い、息子ゲイブ(甲斐翔真)に過剰なまでの愛情を注いでいる。娘ナタリー(小向なる)は母から愛されていないと思い込み、その悩みを同じ高校に通うヘンリー(吉高志音)には打ち明けていた。父ダン(渡辺大輔)は、妻を献身的に支えながらも疲れ切っている。ある日、服用している薬をすべてトイレに流してしまうダイアナ。症状が悪化する彼女のために、ダンは主治医を替えることにし、ドクター・マッデン(中河内雅貴)のもとに連れて行くのだが――? 2022年公演はWキャストによる上演で、チームによって家族の色合いが大きく異なることも話題を呼んだ。今回はシングルキャストとなり、うち望海・甲斐・渡辺は前回からの続投。2年の間にそれぞれが様々な経験を積んだのみならず、望海と甲斐は『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』と『イザボー』で共演も重ねてきた。一方、初参加の小向と吉高は2024年、『この世界の片隅に』と『GIRLFRIEND』で一躍注目を浴びたばかりの新星で、中河内は二枚目も三枚目もこなす実力派。続投キャストと新キャストがバランス良く入り混じる今回、果たしてどんな家族がお目見えするのだろうか。 文:熊田音子 <公演情報> ミュージカル『next to normal』 音楽:トム・キット 脚本・歌詞:ブライアン・ヨーキー 訳詞:小林香 演出:上田一豪 【配役:キャスト】 ダイアナ:望海風斗 ゲイブ:甲斐翔真 ダン:渡辺大輔 ナタリー:小向なる ヘンリー:吉高志音 ドクター・マッデン:中河内雅貴 【東京公演】 2024年12月6日(金) ~12月30日(月) 会場:シアタークリエ 【福岡公演】 2025年1月5日(日) ~7日(火) 会場:博多座 【兵庫公演】 2025年1月11日(土) ~13日(月・祝) 会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール