ニューヨーク生まれのワークウエアブランド「SMITH'S AMERICAN(スミス アメリカン)」の歴史を紐解く
1906年アメリカ ニューヨーク州 ブルックリンで生まれた「SMITH'S AMERICAN(スミス アメリカン)」。この頃のニューヨークでは建築ラッシュが始まり、ワークウエアの需要が高まった時代だったと予想される。 そんな時代に生まれたSmith's Americanの代表的なアイテム、オーバーオールやペインターパンツが、時の流れと共にファッションアイテムに移り変わっていったお話をMINOYA CO.,LTD Product & Design Developmentの太田雄介さんに伺った。 「当時のアメリカはルーズベルト大統領がノーベル平和賞を獲得した頃で、当時の社名は『BROOKLYN OVERALL COMPANY(ブルックリン オーバーオール カンパニー)』といい、同社のワークウエアブランドのひとつとしてSMITH'S AMERICANはスタートしました。
“Smith's”というアメリカではポピュラーな印象の人名を採用し、広くアメリカ全土に広がるようにと付けられたブランド名だったのではないかと考えられます。その頃の主力のアイテムはオーバーオールだったようで、ニューヨークの街を建築している昔の写真や資料を見るとオーバーオール姿が目につくことから推測できます。 現在のSMITH'S AMERICANのオーナー、レニー氏は3代目なのですが、彼が現役時代の1960年代~1980年代にワークウエアからファッションシーンのフィールドを開拓していったそうです。 たとえばロサンゼルスの有名セレクトショップ『Fred Segal(フレッド シーガル)』がまだ小さな規模でやっていたときから、SMITH'S AMERICANのパンツが取り扱われていたというエピソードが残っています。こうしてワークウエアとしても、ファッションアイテムとしても、東海岸から西海岸、そして全米へとブランドが広がっていきました」