ニューヨーク生まれのワークウエアブランド「SMITH'S AMERICAN(スミス アメリカン)」の歴史を紐解く
1970年代ワークウエアからファッションへ
1970年代にはアメリカだけでなくフランスやイギリスでもSMITH'S AMERICANの販売が始まる。このアメリカ以外への進出が現代のブランド展開に大きく関係することとなる。引き続きお話を伺っていこう。 「フランス、パリ発の『Upla(ウプラ)』というバッグブランドがその昔、セレクトショップだった時代、オーナーがアメリカを訪れ、SMITH'S AMERICANのペインターパンツを製品染めしてカラフルなものを作ってほしいという依頼がありました。 その頃のアメリカにもファッションとしてワークウエアを取り入れたものはあったと思うのですが、このカラーペインターは当時としてはかなり画期的でヨーロッパで人気のアイテムになっていったといいます」
4つのコンセプトを持つ日本のSMITH'S AMERICAN
ここからは日本でのSMITH'S AMERICANの展開について伺っていこう。日本に入ってきてからもかなり長い年月が経つが、今季2024年春夏シーズンからコンセプトも新たにリブランディングされたという。これからのもの作りはどんなコンセプトで行われていくのか引き続きお話しいただこう。 「2024年春夏シーズンでは、4つの軸をテーマとして立て、それにそった形でアイテム展開していきます。 1つ目は『LES HALLES(レアール)』といい、先程のフランス別注で生まれたカラーペインターパンツもそのひとつで、東海岸のアメリカらしさ+フレンチの空気感をカラフルでエレガントなワークカジュアルに仕立てるというコンセプトです。 そしてブランドルーツでもある『BROOKLYN(ブルックリン)』。さまざまな文化、歴史、人種が入り交じる“MELTING POT(メルティング ポット)”を2つ目のコンセプトとしています。 3つ目は『VENICE(ヴェニス)』。先程のロサンゼルスの有名セレクトショップFred Segalとの関係を意味し、お店が成長してもその長きにわたる信頼関係は変わることなく、ローカルズに向けたリラックスしたムードやライフスタイルを提案するコンセプトです。 最後に『PORTBELLO(ポートベロー)』というコンセプトを立てたのですが、これはイギリスストリートで生まれた音楽やアート、スポーツなどが組み合わさった、ミックスカルチャーの側面を持っているものとなります。 この4つコンセプトを感じられるアイテムをランダムに作り毎シーズンのラインナップにしていこうと思います」