女子高生プロレスラー山岡聖怜「こんな世界があるんだ...」レスリング少女が挫折を経て見つけた夢
【ジュリアに憧れてプロレスの道へ】 ーーお姉さんは現在、グラビアアイドルとして活躍する山岡雅弥さん。2021年度に『ミスヤングマガジン賞』を受賞した際、中学生でレスリング全日本選抜ベスト8の実績も話題となりました。 姉は私の2つ上で、高校を卒業後に上京していたんです。小さい頃からずっと仲がよくて、ウェイクボードとレスリングの一番身近な練習相手でもあり、母親のように私の面倒を見てくれる存在でもあります。そんな姉とまた東京で一緒に暮らしたいという気持ちもあり、東京へ進学したかったんです。 ーー努力が実り、東京の高校に合格。上京して新たなスタートを切りましたが......。 私が高校に入学する時に、家族で大分から東京に引っ越しをしました。さあ、これからさらに上を目指そうと中学の時以上に練習に打ち込んだんですが、ケガ、ケガ、ケガの繰り返しで。肉体的にはもちろん、精神的にきつかったですね。周りが練習をして、試合に出て経験を積んでいる間、自分は思うように体を動かせない。どんどん差を広げられる。一番つらかったのが前十字靭帯のケガです。手術をすると1年間はレスリングができないと知り、道が途絶えたような気持ちになりました。また復帰できるのかな? と日々ストレス、不安、プレッシャーを感じていました。そんな時に出会ったのが女子プロレスでした。レスリングとはまったく違う、こんな世界があるんだと驚きました。なかでも(人気プロレスラーの)ジュリアさんは華があって、私もこんな選手になりたいと思いました。
【女子プロレスを代表する選手になりたい】 ーー高校生レスラーから女子プロの道へ進むために環境をどう変えましたか? 女子プロレスの会場へも何度か行ってみて、自分もリングに立ちたいと目標ができました。これから私がやるべきことは、レスリングじゃなくてプロレス。もともとスポーツ推薦で入った高校だったので、レスリングをやめると同時に高校も中退し、通信制の高校に入り直しました。それから、姉のツテもあって芸能事務所に所属し、SNSでの活動も始めたんです。 ーー女子プロレスを目指すにあたって女子プロレス団体の「マリーゴールド」を選んだきっかけは? 「マリーゴールド」に憧れのジュリアさんがいたからです。同じ場所でプロレスをやってみたいと思いました。日本人とイタリア人のハーフで、プロレス会場の空気をガラッと変えるような存在感は圧倒的です。プロレスの技だけじゃなく、見た目もカッコいい。現在は別の団体で活躍されていますが、今でも動画を繰り返し見ています。まだデビュー前ですが、いつかジュリアさんのように女子プロレス界を代表するような存在になりたいです。 後編を読む>> 【プロフィール】山岡聖怜 やまおか・せり 2006年、福岡県生まれ。小学4年生の頃からレスリングを始め、中学時代には全国中学選抜選手権54キロ級で2位。スポーツ推薦で東京都内の高校へ進学し、2022年には全日本ビーチレスリング高校生軽量級で優勝。その後はケガに苦しみレスリングを断念し、プロレスの世界に入る。2024年8月に女子プロレス団体「マリーゴールド」に入団。2025年1月3日に東京・大田区総合体育館で開催される『MARIGOLD First Dream 2025~初夢~』でデビュー戦に挑む。憧れのプロレスラーはジュリア。
小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru