熱帯低気圧「クリス」の後始末 ハリケーン「ベリル」の陰で
ウルスロ・ガルバン、メキシコ、7月2日 (AP) ― 大西洋で最も短時間にカテゴリー4の暴風雨となったハリケーン「ベリル」が、カリブ海南東部を西に進んでいる頃、メキシコ東部諸州では熱帯低気圧「クリス」の後始末に追われていた。 カテゴリー5のハリケーンになる寸前のベリルは、再び勢力を強め、中心付近の最大風速が69メートルに増速した。 メキシコ東部でメキシコ湾に面したベラクルスでは6月30日夜、熱帯低気圧が短時間だが勢力を強めて、今シーズン3番目の熱帯低気圧「クリス」に発達した。 クリスは1日、勢力が弱まり、再び熱帯低気圧になって内陸に移動。 熱帯暴風雨クリスによる大雨の結果、ベラクルス州の少なくとも25の市町村が何らかの被害を受けた。 州市民保護当局によると、5カ所の一時避難所が開設され、62人が避難しているという。 当局によると、数百棟の家屋が何らかの被害を受け、地滑りによって州道が通行止めになり、2つの川が氾濫したという。 メキシコ州では、30日夜から1日朝にかけての豪雨で、少なくとも500棟の家屋が損壊し、数十台の車が冠水被害にあった。 平均的な大西洋のハリケーン・シーズンは、14の名前付き暴風雨、7つのハリケーンと3つの大型ハリケーンが発生するが、米国海洋大気庁は、2024年は平年をかなり上回り、17から25の暴風雨と4つの大型ハリケーンが発生すると予測している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)