広島・替え玉6億円保険金殺人事件、被告に懲役30年 広島高裁、一審判決を支持し控訴棄却
広島県廿日市市のホテルで2021年、知人男性にアルコールを摂取させて殺害したなどとして、殺人と詐欺の罪に問われた広島市西区の職業訓練生の男(34)の控訴審判決が21日、広島高裁であった。畑山靖裁判長は懲役30年とした一審広島地裁の裁判員裁判の判決を支持し、被告の控訴を棄却した。 7月の一審判決は、自身にかけた6億円を超す生命保険金を得るための替え玉保険金殺人で「極めて悪質」と指弾。「無期懲役刑の選択が全く視野に入らない事案ではない」とも指摘していた。控訴審で弁護側は一審判決には事実誤認があり、量刑不当と主張。知人男性との過去のトラブルが動機となった可能性があると訴えていた。 判決などによると、被告は21年11月21日から22日にかけ、愛知県清須市の大学生男性=当時(21)=に睡眠導入剤を混入した飲食物を摂取させてホテルに連行。男性にアルコールを注入するなどして意識障害を生じさせ、嘔吐(おうと)物による窒息で殺害した。また、同月9日に弟の健康保険証を使い、広島市内の薬局から睡眠導入剤など150錠を詐取した。
中国新聞社